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出雲でそば前

出雲で「そば前」
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「そば前」(お酒)と肴を楽しんでから、最後にしめでそばを手繰る。そんなことが出来るそば屋は出雲地方では僅少です。江戸では、江戸時代から昼間でもそばを待つ間に軽く一杯ひっかけるのが常識だったようです。今年2月に松江京店で開店したそば店は夜だけの営業ですが、そば前を十分に楽しめる憩いのあるお店です。地元の食材を用いた肴を軽くつまんで地酒を呑み、程よい心もちとなったところでそばを注文します。そばを待つ時間に銚子の酒が底をつく頃がベストでしょう。

お酒と肴 (そば味噌、しじみの佃煮 
地酒は日置桜にごり(熱燗)、玉櫻純米五百万石(ぬる燗))
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そばのメニュー
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品数は少ない。定番の品の中に「しじみ蕎麦」? 
これは何か訳があると思い注文しました。
予想通り、店主の思い入れの強い一品でした。シジミのエキスがでた塩味で優しい味わいのだし汁が何とも感動的です。そばを手繰るのをやめ、だし汁を飲み干してしまいそうになりました。 そばは丸抜き。

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割子そば(挽ぐるみ、荒臼でぷりぷり)
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そばやで会席

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出雲地方ではそばやで会席ができるところは僅かです。
或る出雲市内の老舗では、要予約で、お酒と料理とそばを楽しめます。
ある会合で、10名にて利用させていただきました。
モダンな個室部屋へ案内され、
とても上品で気品高い料理が運ばれてきて、初めてのお客さんは驚いていました。

献立
一、先付
  フォアグラ養老蒸し
  筍葉山葵和え
  鼈甲餡
一、前菜
 蕎麦の実なめこ
 枝豆福草
 酒盗チーズ
 揚げ蕎麦のミルフィーユ
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一、赤酢握り
 シマアジ 海老 鯛の塩湯引き
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一、炊き合わせ
 合鴨ロース蒸し
 ネギのブレゼとネギソース
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一、強肴
 真鯛のポワレとバジルの乳化ソース
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一、本日の蕎麦
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やはり、そばやではこれを食べないと・・・
お酒がすすんだせいもあってか、あとではっきりと記憶に残ったのは「割子そば」だけでした。

出雲そばと琉球民謡

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宍道湖西岸でひっそりと営業する「かくれ庵」は今年で10周年を迎えます。その記念イベントとして、4月22日、沖縄から歌姫を招待しミニコンサートが開催されました。
題して「宍道湖畔に舞い降りた琉球民謡の歌姫(てるしの)」
グループ名:てるしの 親子二人の共演
 清美さん(母 歌・太鼓) 優里英(娘 歌・三線)
母屋に特設ステージを作り、約100人の観客で超満員、大盛況でした。昨年、かくれ庵のご夫婦が沖縄観光に行ったとき、その声に惚れ込んで親しくなり、出雲に招きコンサートをする運びとなったようです。三線、歌声、顔?共にとても美しく、参加者は皆、琉球民謡に酔いしれていました。
開演前にお客様に割子そばを提供され、私も久しぶりに食べました。よく訪れるのですが、ご夫婦と話をするだけで盛り上がってしまいそばを茹でてもらう機会を逃しているからです。かくれ庵のそばは、食べやすくやさしいそばで、何枚でもいただけるような気にさせてくれます。ご主人の打ったそばと奥さんのだしがとても相性が良く、10年間で築き上げた夫婦の息の合った業だといえます。
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そば湯

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そばを食べた後に、そば湯を飲む、これを是非とも習慣づけて欲しいです。そば湯を飲むことは栄養分が釜湯に溶けだしているため健康のためにも良く、だしを入れて味わえば、さらに満足感が得られます。また、そば湯を飲むことでお腹が膨れるので、腹持ちが良くなります。
『そば湯』とは、簡単に言えばそばの茹で汁のことです。うどんやラーメンでは茹で汁を飲むことはありえないでしょう。そばは、健康に良い「食」である証しではないでしょうか。寒い季節は、そば湯を飲めば心身ともに温かくなります。
美味しいそば屋さんは、そば湯も文字通り絶品です。 そば湯を飲むだけでも、そば屋の店主の腕、そばへの熱意が判断できます。心づかいのあるお店では開店時は釜湯がさらっとしているのでそば湯がとれないのですが、別にそば粉を溶いてそば湯を用意しておられます。釜湯の底はどろっとした濃いそば湯がとれますが、上面のほうはさらっとしていますが、さわやかな香りが楽しめますので好みで選べるお店もあります。
繁盛している時間帯はそば湯濃く、とろっとしていて、お客の入りが解ります。実は美味しいそば湯を出しているお店は、そばも美味しいのです。そば湯は、打ち粉(そばがくっつかないようにするための粉)の品質で大きく変わります。ソバの実の中心部分の白いサラサラした粉(御膳粉)が一番です。しかし、値段が高いため、馬鈴薯澱粉やコンスターチ入りの打ち粉を使っているお店もありますがそば湯が美味しくありません。

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幻のそば、うどん

「ほうこそば」
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島根県東部の山間部では、草餅の原料として、ホウコを用いていたようです。ホウコ(正式にはキクバヤマボクチ)は山林の荒廃に伴い自生数が減少していますが、佐田町朝山地区では、昔懐かしいホウコを使い地域の活性化につなげようと栽培が始まりました。
出雲須佐温泉ゆかり館で発表会があり、「ほうこそば」「ほうこうどん」が披露されました。ホウコの葉をゆがいてあくをだし、乾燥させて製粉し、そばのつなぎに使うと強い弾力が生まれます。
長野県では、ホウコの近親種のオオヤマボクチを使った富倉そば(別名ボクチそば)が有名です。富倉そばは地元のおばあちゃんが丁寧に1時間も捏ねてまとめられるらしいです。小麦等のつなぎの無い時代の工夫といえるでしょう。
私も試しにホウコを用いてそば打ちしてみました。事前にお湯で溶いてから水回しをしましたが、硬くなりなかなかまとまらないので苦労しました。含水量も通常よりかなり多めでした。また、かなり硬くなる性質があるため、包丁切りも難しく時間を要します。今後、そば粉の種類や、ホウコの含有量、水加減等の研究を重ねて、ほうこそば独特の風味や食感で楽しめるようになると面白いです。個人的にはホウコはうどんと相性が良く、そばに入れるなら茶そば等の要領で更科そばに混ぜてみてはと考えています。
「ほうこうどん」
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そばの水締め


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茹でたそばを冷水で冷やす。これはそばをシャキッとさせるために必要な工程です。
しかし、この寒い季節に氷水につけると冷えすぎて風味がほとんど無くなります。
必要以上に冷やされたそばは、香りが無く、ただ固いか、弾力があるだけの麺となってしまいます。
それでも食感を重視し、決まりきったように氷水にしっかりつけてから水切りすると、歯にしみるぐらいのそばになります。そんなそばは暫く置いて、温度が上がってから食します。そうすると風味が復活してきます。割子そばで、一段目より三段目のほうが美味しく感じるときは、そばの締め過ぎが原因である場合が多いでしょう。
そば粉自体の風味が落ちる夏場には、冷たくして食感だけでも満足してもらうことは有りかもしれません。夏は冷たいものを欲するものです。しかし、今の季節は氷を使わないで水道水で十分だと思います。一年で一番美味しい時期に、風味を如何にして引き出すか。単純かつ繊細な食べ物だからこそ、最も配慮すべきことではないでしょうか。


そば切りの太さ

そば切りの太さ
最近、行きつけのそば店で、いつもよりそばが太いことに気づきました。この店は以前から釜揚げそばと割子そばの太さを変えているこだわりがあります。この変化は無意識ではないと判断し、店主に聞いたところ、新そばなのでよりそばの風味を味わっていただこうと配慮されたとのこと。実は、以前からもう少し太いほうが良いのではと思っていたので心弾ませ食べました。かみしめて食べるとそばの味がより伝わってきます。荒臼碾きのそば粉を用いておられるので、この太さのほうが良いと感じました。できれば通年この太さでそば打ちしていただきたいです。ちょっとの違いで、こんなに風味が変わるなんて…出雲そばの奥深さをあらためて実感しました。

写真では解りづらいとおもいますのでお店で食べてみてください。
(出雲市役所近くのお店)
若干の太さの違いです。

割子そば(左 以前のそばきり 右 現在)
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釜あげそば(左 現在 右 以前)
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追記:
このお店のうどん。だしが凄く旨いです。高価な本枯れ鰹を主として丁寧にだしをとっています。飲み干さないともったいないくらいです。繁盛しているとき、うどんは早く出来上がるのでお試しください。
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不昧公の教え

不昧公より (354x500)
10/25、26の二日間 出雲全国そばまつりにて、
不昧公の教えにそったそばをと思い、
この看板を掲げて、そばを打ち販売しました。
出雲そばといえば、やや太めで「のしべら(延平)」といって、
延し厚より切り巾のほうが広いそばが思い浮かびます。
東京で「田舎そば」としてだされるそばは切り巾が極端に広いそばも見受けます。
何故、田舎そばは太めなのでしょうか?私なりにその理由を整理してみました。
・そばの製粉がひきぐるみの粗い粉であったため薄く延ばしにくい。
 また、そば打ち・製粉の技術が江戸と違い高レベルではなかった。
・ 昔からやや太めのそばをよく噛んで食べる習慣があった。
・ 割子そばのようにだしを直接かけて食べるので、ざるそばのようにたぐって啜る必要がなく、太くても食べ辛いことはない。
・ 釜揚げそばはそばが切れやすいため  、太めのそばでかき込むように食べるほうが香りや旨みをより楽しめる。
・ 太いほうがそばの醍醐味をより感じる。
ひきぐるみの出雲そばは細打ちの技を追求するような上手い(うまい)そばではなく、美味い(うまい)そばを目指すべきではないかと考えます。旧来から少々食感が悪くても、噛んだときの香りや味深さに秀でているそばが出雲そばとして評価されてきたのです。
 江戸前では「喉こしが良いそば」を良しとして粋に食べることが最良とよく語られますが、本来、そばは噛んで食べるものですからビール等とは異なり、喉越しという表現は適切ではないのかも知れません。つるっと食べやすく、食感の良いそばの事を指しているのでしょう。老舗の出雲そば店でも、近年のブームなのかこの食べやすいそばに変化し、細打ちするお店が増えてきました。時代のニーズに合わせそば屋も変化していかなければならないのですが、少々寂しい気がしています。
「のしべら」形状の出雲そばはふるさと出雲の風土を感じさせる懐かしい味わいがあります。
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そば修業

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奥出雲にそば打ち職人を目指して修業中の青年がいます。名前は山中将道さん(S56生まれ)広島県出身で、今年の2月から、「山県そば」で修業しておられます。もとは食品関係の営業マンで、全国を飛び回っておられました。
そば好きなため、東北、北海道を含めた出張先各地でそばの食べ歩きをされました。その中で一番と感じた横田小ソバに魅せられて、奥出雲でそば打ち修業することを決意されました。大変熱心なため上達が早く、大将も感心しておられます。
 近い将来、奥出雲で店を開きたいと熱意を語っていただきました。

出雲の老舗改装

出雲市内で献上そばとして有名な老舗そば店。
江戸時代末期からの創業です。
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大社遷宮効果により、普段は静かな街中ですが、観光客がたくさん訪れてきました。ピーク時は大行列でした。
今年、改装に着手され、店内の雰囲気がかわりました。特に二階はモダンな部屋もできました。
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お客さんの待合スペースもあります。
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これで、ゆったりとした雰囲気のなかで、出雲そばを楽しむことができます。
最近は、予約制でそば会席の料理も準備されています。
出雲そばと地酒の両方を堪能してください。
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つくり置きのそば

つくり置きのそば
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出雲そばりえの会は、各種イベントに出向き、打ち立て、茹でたてのそばを振舞っています。注文があってから茹でるのが基本ですが、お客様に行列で待たせることがないようにつくり置きすることもあります。
茹でから時間が経ったそばは、水分が抜けてパサパサになり、だしをかけてほぐして食べることになります。そんなそばは美味しくないと思うのが常識ですが、今回いろいろなイベントに参加して発見がありました。残ったそばをまかないとして食べたのですが、食感は茹でたてとは雲泥の差があります。しかし、しっかりと仕上げたそばは旨味が残っていて十分美味しく食べることができたのです。特にやや太めのそばは、乾燥してもモサモサしません。以前、ホテルのバイキング形式の会食で食べた松江のそば打ち名人の割子そばが、ほぐしながら食べても、食べやすく、風味が湧いてきたそばだったことを思い出しました。昔からの伝統である、出前のそばにも共通したことがいえるでしょう。
 出雲そばは、水分が抜けても、だしをかけると風味が出てきます。(日本酒をいれてほぐすと旨味が増します。)この現象は他地方のそばには真似できない、出雲そばの凄さといえるのではないでしょうか。

沖縄そば

沖縄へ行ってきました。
「沖縄そば」といってももちろん沖縄の日本蕎麦のお話です。
南国の植物月桃の花が咲いていました。
その葉を練りこんだ月桃そばが有名だと聞いて早速
那覇市内の有名店に出かけました。
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夜8時ぐらいでしたが、お客がたくさんいて、馴染みさんも多く来店されている様子です。
カウンターで待っていると、壁にたくさんの有名人の賞賛の記事や
月桃そばの由来が記されていました。
私の経験から言えば、宣伝が過ぎるお店は期待外れが多い気がします。
お酒(日本酒)と肴に手作り揚げ蒲鉾をいただき、
手打ちの月桃そばを注文しました。
そばの香りというより、月桃の葉の青みによる匂いがしました。
そばは細打ちで江戸前風でした。
しかし、包丁が悪いのか、つながっている部分がたくさんあり、
興醒めしました。
沖縄で日本蕎麦では第一人者であると聞いたお店なのに。
盛り付けするときに外すぐらいの配慮もありません。
もっともひっついている箇所がたくさんあり、除くと量が不足し、
追加でゆでないといけなくなるでしょうが。
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気分を変えて、翌日は浦添市に最近開店した蕎麦店にでかけました。「手打ち日本蕎麦 松平」
看板やのぼり旗が一つもないので、タクシーの運転手も解らず、かなり迷いました。
ここの店主は出雲の老舗そば店で修業され、地元に帰り日本蕎麦でと奮起された若い女性です。
日本三大そば、江戸前そばをたべあるき、これだと思われたのが「出雲そば」でした。
出雲からそば粉を送ってもらい、毎日丁寧にそばうちされています。
(修業先から贈っていただいた昔の割子容器やおかもち等)
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そばは出雲で食べるようにそば品来の甘い香りがたち、
味の深みもあり、だしの按配も良く、
そばに対する熱意と素直さ(謙虚さ)が伝わってくるそばでした。
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出雲そばを沖縄でお住いの皆様に食べてもらえることは
出雲そばりえとして誠にうれしいことです。
今後も頑張っていただきたいです。
駆け出しのお店と有名店との対比は失礼かと思いましたが、
有名店だからこそ、初心、おもてなしの心を忘れず精進してもらいたいものです。

また、奥出雲そば処として営業されているお店も訪れました。
「 一福 」(沖縄三越店6F)
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(おまけ) 沖縄そば
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そばがき

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そば粉の品質を吟味するには“そばがき”で食べてみるのが最良です。そばがきにすれば、風味が茹でて逃げることなく、香りや甘みの強さ、そば粉の粘り具合が良く解ります。
しかし、挽きぐるみ(出雲そば)のそば粉でそばがきを作るとふわっとした食感にならないことがあります。やはり丸抜き(殻をとってから挽いたそば粉)のほうがもちもちしてエグミもなく食べ易いです。出雲地方ではそばがきをメニューに入れているお店は少なく、数件しかありません。繁盛店では手間がかかるので、昼時の忙しい時間帯は注文するのをためらいます。但し、日本酒とよく合いますので、ゆっくりとそば前を楽しむときには、そばがきを肴の一品にお勧めします。
簡単な「そばがき」の作り方を紹介しますので、ご家庭でお試しください。
用意するもの:
 そば粉(丸抜き) 100g
 熱湯       250cc~300cc
作り方:
鍋(取っ手のついた)又はボウルにそば粉をいれ沸騰したお湯を200ccぐらい注ぎます。太い箸などで力いっぱい捏ねつづけます。粘りが出る頃にお湯をいれ軟らかさを調整します。艶がでてなめらかになれば出来上がりです。(お湯の替わりにそばを茹でた後の釜湯で溶くと味が濃くなります。)

そばがき(碾きぐるみのそば粉)そばがきふくべ三
揚げそばがきのいろいろ三次和庵 003
そばあげもち009
そばがき揚げ

焼畑のそば

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宮崎県椎葉村をご存じでしょうか? 九州の秘境といわれるような奥深い場所です。そこで、日本でただひとり伝統的な焼畑を守り続けておられる椎葉クニ子さん(今年で90歳 通称“クニ子おばば”)の存在は有名です。<NHKスペシャル クニ子おばばと不思議の森 2011.9.25放送>
縄文時代から続いてきたともいわれている古代農法の焼畑は、自然の摂理に寄り添った農法です。その焼畑農法で生産された貴重なソバを“クニ子おばば”に弟子入りした若い女性から、わけていただきました。
 早速、期待感を抱きながらそば打ちをしました。粘りがありごく自然にまとまりました。
水回しのときの香りは弱かったのですが、上品な甘い香りが漂ってきました。早速試食してみて思わず歓喜!久々にこんな美味いそばに出会い、ときめきを覚えました。自然の恵みをしっかりと蓄えたそばで、椎葉村の風土を感じさせ、甘い香りと、弾力の心地よさ、何とも形容しがたいそばに仕上がりました。椎葉村、一度訪れてみたい衝動に駆られました。
椎葉村 ざる
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手打ちと機械打ち

遷宮以降、観光客でごった返す出雲大社周辺。参拝と出雲そばはセットと考えられていて、毎日そば店には行列が出来ています。家族経営のお店が多く、毎日そば打ちする量が限定されるため、午後3時ぐらいには売り切れ御免という状況です。とてもすべての観光客に満足してもらえる状況ではありません。中にはそばの品質の劣化や量の減少など、不満が寄せられているお店も存在します。
大勢の観光客に満足していただくには、機械に頼ることもやむを得ないでしょう。そばの製麺技術は向上していて、手打ちと遜色ない出来栄えに仕上がる製麺機が存在します。食べ比べても解らない程ですが、そば好きにははっきりとした違いが解ります。それは食感です。機械打ちでは表面が滑らかとなり、つるっとした食感となるのに比べて、手打ちは表面がざらっとしています。そばを延しているときに表面に凸凹が出来るからだと推測します。そば打ちというぐらいですから、そばを延し台に打ちつければ表面が粗く仕上がる訳です。これが食感となり、そこから風味を感じる度合いが高まる訳です。だしが絡まりやすいので辛めのだしはちょっとつけて食べるのが良いとされています。江戸では以前は機械打ちが主流でしたので、そばに絡みにくいので辛汁になったという説もあります。また、江戸の有名な老舗の中には、水回しが肝心だと捏ねは手作業、延し切りを機械でというお店も存在します。また、捏ね機を使い、そば玉を作り、捏ねの仕上げから手作業のお店も多く存在します。どこまでが手打ちそばと名乗って良いかといえば難しいところですが、そばの食感を大切にするということで言えば、延し切りだけは譲れないところでしょう。
 最近、偽装問題が大きく報道され、皆の関心が高まっています。機械打ちのお店が、お客様に印象の良い、「手打ちそば」と表記した看板を掲げることは避けて欲しいものです。
大勢の観光客の往来があるそば店は、お客様の欲求を満足させるために、機械打ちのそばを提供することは悪いことではないと考えます。
しかし、「手打ちそば」には打ち手の想いが込められていて、機械打ちには決して真似のできない温かみを感じるそばに仕上がることを付け加えておきます。


手打ちそばと機械打ちそば(どっち?)
手打ち
機械打ち

出雲駅周辺で夜営業の手打ち出雲そば店開店しました


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以前から、駅周辺で宿泊されている観光客やビジネスマンから、夜に出雲そばを食べさせてもらえるお店はないかと問い合わせが多数寄せられていました。
その願いが叶い、今月、出雲の夜に「石臼碾き手打ち 出雲そば 」を提供するお店がオープンしました。「ほしえん」は駅前のパルメイトで営業しておられましたが、10月2日、駅前通り北へ約100mの場所に移転オープンしました。ラーメン店エトワールも閉めて、合体した格好です。早速 お昼に行きました。
店内は広く、ラーメンとそば、どちらでも選べるようになっています。
(隣でラーメンを啜られると匂いが少し気になります)
そばは毎朝、丹念に打たれた 石臼碾きそばです。だしは以前よりうまみが増し濃度も濃くなり、バランス良くなっていました。
営業時間は 昼12時~3時 夜6時~翌1時30分 (定休日:日曜日)
これで 繁華街で飲んだあとシメに本格派手打ちの出雲そばを食べることが可能となりました。しかし、店主は睡眠時間がきちんととれているのか心配です。若いから大丈夫でしょうか。
お店に貼紙がありました。
「酔っぱらい客 お断り」
深酒したあとの来店は慎みましょう。

<店内の様子>
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<釜揚げそばと割子そば>
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出雲地方のそば屋状況

今年の大社周辺の賑わいは異常です。曜日関係なく、毎日大勢の観光客、参拝客で溢れています。参拝と「出雲そば」はセットでお考えのお客様が多く、大社近隣のそば屋は、開店とともに行列が出来ます。手打ちのそば店は、午後2~3時で品切れ閉店となり、観光客には不満が生じています。各そば屋は家族経営のお店がほとんどですから、少数のそば打ち職人しかいません。連日100人~200人前を限られた職人で打つのは、気力、体力ともに消耗してしまいます。また、翌日の仕込みで夜遅くまで作業が続きます。
品質を落として、または一人前の量を減らしてまで多くのお客様に提供することは商いの道に反しています。利益第一とすれば、結果は客離れにつながることでしょう。 大社から離れた出雲市内のそば屋もカーナビやインターネット情報等から、観光客で一杯です。私たちそば通がお昼にゆっくりそば屋で食べることが出来ない状況です。
そこで、県外から来られた観光客の方々にアドバイスしたいと思います。1時間以上そば屋に並ぶのはやめましょう。周辺の他店舗へ向かうか、いっそのこと島根県内の他地域にある手打ちそば屋を目指してください。自家用車でお越しの方は、少し足を延ばして、松江や奥出雲、三瓶方面のそば屋を訪れるという企画はいかがでしょう。時間を有効的に使い、出雲地方の景色を車窓から眺めドライブがてら少し広域的な観光をしてみるのも一興です。特に松江までは、高速道路で繋がっていますので40分程度で松江の名店に辿り着けます。奥出雲までは1時間以上かかりますが、地元産のそばがその育った環境の中で味わえます。観光名所、秘湯もたくさんあります。「ふるさとしまね」を訪れたお客様に、せっかくですので、田舎ののんびりとした空気のなかで過ごしていただけたなら、新たなしまねの良さを発見してもらえる気がします。
松江のそば(割子そば たくさんの薬味と辛めのだし)上田そば 001
奥出雲のそば(横田小そば等の在来種を自家製粉したそば)
山県、 002
三瓶のそば(三瓶在来種を自家栽培、自家製粉したそば)
三瓶そばこのか

そばとだしの相性

粗挽きそば(太目)
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そばとだしの関係は重要で、そばの太さや食べ方に応じただしの調整が必要です。
だいたい、そばの種類とだしの当たりの関係は、
●そば粉の含有量が多いほど、汁は濃く、当たりはきつく
●小麦粉が増えるにつれて薄く、穏やかに
●そばの色が濃いほど汁は濃く、白いほど穏やかに
●そばが細いほど汁は濃く、太くなるほど薄く 
●あげだしはきつく、出前は穏やかに
と言われています。この中で「そばが細いほど汁は濃く・・・」とありますが、これはざるで食すときのことだと判断しています。出雲そばを割子で食べるときは、だしを直接かけてからめる訳ですから、逆に、そばが細いと濃いだしは辛く感じます。出雲そばでは、そばの太さに応じて濃くするのが妥当ではないでしょうか。
以上からいえることは、荒臼碾きの太いそばは、汁は濃く、あたりはきついほうが相性良いということになります。割子にかけるだしの量にも左右されますが、薄いだしをたっぷりかけると、だしの味が優ってしまいます。粒子の粗い太めのそばにはあたりがきついだしが合うので、少量のだしをかけ、そば本来の風味をひきたてて食べたいものです。あくまでだしは脇役ですので、だしに合わせるのではなく、そばを活かすだしの調整が必要となります。

左が二八、右は十割そば
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道しるべ

知る人ぞ知る「かくれ庵」
 とても解りづらい場所であるため、迷わずにお店に着かれたお客様はごく僅かでしょう。
かねてから道案内の看板を建ててほしいと要望がありましたが、開店7年目にしてようやく県道沿いに道しるべが出来ました。
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看板に使われている割子の椀は本物です。
(お店で使用されている椀よりかなり上物)

この看板を目印に東へ一直線。宍道湖西岸にお店があります。
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この傾いている看板(お店は傾いていない?)がお出迎え。
部屋にはいると斐川平野が一望できます。静寂な心地よい時間が待っていて、心が癒されます。
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藤岡大拙さんの書
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たくさんの野鳥が飛来してきます。かくれ庵 005
このような心を和ませてくれる場所ですから、どんなそばがでても美味しく感じるものです。
そばの写真はあえて載せませんので、味を確かめに、また、この風景を楽しむために一度お店を訪れてみてはいかがでしょう。

出雲大社大遷宮の効果

大遷宮を迎えた大社のそば店(新装開店)
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みやげもの店だったお店で急遽そば(製麺)を食べることが可能となった
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60年に一度の出雲大社大遷宮にあたり、出雲大社周辺はゴールデンウイーク(70万人の観光客)以来、平日でも多くの観光客で賑わっています。観光客の多くは大社参拝と出雲そばをセットとして考えておられるのか、大社周辺のそば店は常に行列が出来ています。ピークでは1時間40分待ちとなったお店もあったようです。新しくオープンしたそば店も開店日から行列という事態になりました。大社のそば店は約15店舗ありますが、そば店を訪れる観光客全てを賄えるだけの店構えではありません。ほとんどが家族経営であり、お昼時に一度にお客様が来られると待ってもらうことになります。諦めて市内のそば店に流れるお客様もたくさんいて、市内の各そば店も行列となりました。 大社のそば店は、観光客相手と地元客相手にうまく分かれていたのですが、こんな状況により、ほとんどのお店が観光客で埋め尽くされています。
そんな中で、唯一、地元に愛されているお店としてひっそりと営業しているお店があります。「観光客お断り」の貼紙がなんとも素敵です。常連に迷惑をかけてはならないという思いを強く感じます。薄利多売のそば店で、「一見さんお断り」はあり得ないことでしょう。私はこの店主の偏屈な心意気がとても気に入っています。

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シャクチリソバ

シャクチリソバ
大田三瓶の千蓼庵店主岩谷さんは以前から、石見銀山で自生する「シャクチリソバ」の栽培に熱心で、収穫した実でそば打ちをしておられました。
しかし、生産量が限られ、実入りが僅かなので他の品種のようにはいきません。そこで、シャクチリソバの葉を使い、ペースト状にしてそばを作る方法を考案されました。シャクチリソバはタデ科の多年草でカシミール地方の高原が原産地。血圧降下作用があるルチンを多く含んでいます。また、一般的にソバの葉にはインフルエンザウイルスの感染や増殖を抑える作用があることが発見されていますので、健康のためにソバの葉入りの乾麺を商品化されたのは面白い企画だといえます。
今年が三瓶山の国立公園指定50周年になるのを節目に「三瓶山の特産品化」を目指し、乾麺が完成しました。深い緑色の色合いが印象的なそばに仕上がっています。
 2人前(160グラム、予定価格650円 ~やや割高感がある。)を、地元の飲食店などでつくる「三瓶山そば会議」の加盟店などで販売を始めています。
早速 購入し試食してみました。乾麺にするので小麦粉の割合が多くなるせいか、やや淡白な味わいですが、葉入りであることを感じさせます。千寥庵で以前食した生そばをまた食してみたい気分になりました。

ざるそば(商品を茹でたもの)シャクチリソバ ざる
玄ソバ(シャクチリソバの実)
しゃくちりそば
生そば(シャクチリソバの実を挽いた手打ちそばと三瓶在来の二色そば)
濃い色がシャクチリソバ入りハレの日 003
シャクチリソバの葉と茎をペーストにして混ぜたそばきり(千蓼庵で提供)
千寥庵シャクチリ 001

豊平のそば屋

豊平のそば屋
達磨3

積雪のある中、広島市内で用事を済ませた翌日にそば名人のお店「達磨 雪花山房」に行ってきました。山中を登っていくと風変りな建物に出会います。美術館のような静かな佇まいです。メニューは「ざる」のみです。そば打ちの技術を全国に広めているかたのそばなので期待感が湧いてきます。接客は若い職人さんでした。恐らくお弟子さんでしょう。指示された席に座り、注文を聞くと「何枚ですか?」と尋ねられました。量が少ないから2枚頼むお客がいるのでしょう。一枚平らげてからと思い、「一枚でお願いします。」といって暫し待っていました。予想通り、盛りつけられたそばは凡そ100gぐらいで、薄緑がかった艶のあるそばです。そばをたぐり、噛んでみると風味がひろがります。しかし、期待感が大きかったせいか、香りや甘みが少ない気がしました。また、そばを手繰っていくにつれ、「おや?」ということがありました。そば切りの太さがばらばらだったのです。名人のお店の筈が、何故なのが不思議でした。推測するに、畳んだそばの端っこ部分が多く入ったのか、未熟なお弟子さんの打ったそばなのか?等々考えてしまいました。盛り付けの量がもう少しあれば、全体比率からして細切りのそばが目立たないのですが、今回はひどく目立ちました。大将が茹でている筈ですので、盛り付けの時に解れば取り除くことも出来る筈です。私のような1枚しか頼まないお客さんは軽くあしらわれたのでしょうか。気になったので接客の職人さんに「何故、そばの太さがばらばらなのか?」と問いましたら、「済みません。」と何回も謝られたのですが、理由は聞けませんでした。もちろん、そばの太さが違えば、食感が変わります。名人とおだてられ、神様のような存在なのでお弟子さんも気を使っているのかもしれません。「おもてなしの心」、基本に帰ることが必要ですね。いずれにしても不信感をもち、お店を後にしました。
達磨1
達磨2

気分直しということで、「豊平手打ちそば 小堀」(豊平手打ちそば保存会の会長)に寄りました。自宅をお店に改装し、アットホームな感じでした。達磨の大将とのツーショット写真が目に着きました。そばは達磨よりも綺麗に切ってあります。しかし、豊平産の「とよむすめ」を使用しておられますが、粘りがあるものの、かなり淡白で香りがありませんでした。前日、横川で食べたそばとは風味の点で雲泥の差です。他の品種とブレンドするなどの工夫が必要ではないかと思いました。
こすぎ 001
こすぎ 002

豊平に寄り、あらためて出雲そばの味深さの凄さを再認識しました。

冬はやっぱり鴨そば

鴨の匂いに誘われます。ふなつ かも
寒い季節には、何故か鴨そばが恋しくなります。冬季限定メニューで登場するお店が多いようです。鴨は火を通しすぎると硬くなります。焼いてからだしに入れて鴨の旨みや香りを含ませると、食欲をそそる特有の甘い薫りに魅了されます。女性が好むのも無理はありません。噛むと肉汁がでてくるようなやや厚めにスライスした鴨肉がベストでしょう。もちろん、鴨の油分で焼いたねぎには甘みがあり、鴨肉とは切り離せない関係にあるといえます。(「鴨ねぎそば」という名をつけても良い程です。)料金は高くなりますが、たまにはちょっと贅沢し、心から温まってみてはいかがでしょう。ご夫婦で一緒に食べることをお勧めします。鴨そばの麺は少し太目のほうが、鴨汁のような濃い目のだしとの相性は良いでしょう。
鴨肉たっぷり(しゃぶしゃぶ状で器に)
旬菜 かも
薄くスライスされている鴨肉をだしに入れている(鴨肉自体はサパサパしていて残念。そばはきしめん状の平麺)
山県鴨そば
本鴨(油分がたっぷり)
鴨南蛮風水 001
鴨せいろ(温かいだしに焼かれた鴨肉を入れても良し。そのまま食べても良し。皿の鴨汁をだしに入れると美味)
神代 鴨そば 004

冬のそばの誘い

食べきれないほどのそばのコース料理です。有名な松江のそば店です。お酒(日本酒)もすすみました。
●そばがゆ
そばぞうすい
●そばのお刺身
そばのさしみ
●そばのあげ餅
そばのあげもち
●そばのフリットゴルゴンゾーラそばのフリットゴルゴンゾーラ
●フランス鴨肉のソテ―(辛み大根のおろし添え)
鴨肉のソテー

●そばのパンケーキ
そばのパンケーキ
●ねぎと桜エビのそばチジミ
ねぎと桜エビのそばチジミ
●ガレット
ガレット
●そばの穴子巻き
そばの穴子巻き
●そばの御幣餅
御幣餅
●荒挽き太打ちそば(黒田せり+おぼろ豆腐)
荒挽き太打ち
●丸抜き細打ち(舞茸天ぷら)
丸抜き細打ち
●デザート(そばのカスタードクリーム、そばのアイスクリーム、変わりそばぜんざい、村時雨)
デザート

出雲の舞デビュー!!

そば品種 002
今年、出雲のオリジナル品種として期待されている「出雲の舞」が市場に出回りました。
「出雲の舞」の本格的なデビューの年となりました。
出雲そば生産組合では、「出雲の舞」を、本年から約42haで本格的に栽培しています。
出雲そば商組合加盟店で食べることができます。しかし、全てのお店で味わえるのではなく、限定されるようです。碾きぐるみで自家製粉されているお店では、「出雲の舞」だけで打ったそばを食べさせてくれます。
北海道の牡丹そばと横田在来を交配した「出雲の舞」は島根県オリジナル品種として期待が高まっています。やや小粒ですが、収量が従来品種より多く、倒伏しにくい特性があるようです。収穫量は他品種の倍近い出来の農家もあり、来年以降の生産拡大が期待されています。開発元の農業技術センターは「出雲の舞」に関する講演会やパネル展示なども実施されています。
肝心の味は、食べた限りでいえばやや淡白で、香りが弱いように思います。また、価格が割高となっています。これは玄ソバの単価が高いせいでしょう。地元産をアピールするには残念なことです。
 新そばの出始めは、味がのっていないかなと感じさせますが、もう少しすれば深みがでてくることでしょう。香りが強いのは、写真中央の信濃系、やや青刈りした玄ソバです。(殻がまだ黒みを帯びていないうちに収穫したもの)

出雲の秋 食の祭典

 和洋の飲食店が旬の食材を使った自慢料理を提供する「出雲の秋 食の祭典」が22日、出雲市平田町の「割烹(かっぽう)温泉ゆらり」で開かれました。
出雲おろち大根を栽培されている森山太史代表とのお付き合いがあり、試食させていただきました。出雲の新品種「出雲の舞」を挽いたそばもメニューにありました。
 参加店は、会場のゆらりをはじめ、日本料理の「おかや」と「ほう吉」、野菜ソムリエが作る惣菜(そうざい)が人気の「リトルアリス」、オムライスが有名な「クルトン」の地元5店。料理にはパプリカや神在ねぎ、大和シジミ、西浜いもなど、地域の食材が使われていました。会場は定員120人満席でした。チケットは発売と同時に予約でいっぱいとなる程の人気でした。
 このような企画が出雲で生まれたことに関しては嬉しく思います。森山さんの意気込み、熱意が関係者に伝わったものと思います。しかし、まだ秋の食材が整っていない時期なので、素材の旨さをアピールするには少し弱い気がしました。次回があれば、食材の食べ頃、出雲おろち大根、出雲の舞(そば)等の美味しい時期に企画していただくともつと感動を覚える企画になるでしょう。

季節野菜のキッシュ&出雲おろち大根と西条柿のサラダ(リトルアリス)
1食の祭典 003
キッシュはそれぞれの野菜の味が楽しめました。西条柿と生ハムの相性があまり良くないと感じました。生ハムにはしっかりした食感の柿のほうが合いそうです。

大根と豚肉の炒め物(日本料理おかや)2食の祭典 009
すき焼き風味の炒め物でした。大根が出雲おろち大根でないのが残念。大根がしゃきっとしてからみがあれば申し分無しです。家庭でも簡単に作れそうです。是非、出雲おろち大根で試してみてください。

出雲地野菜のすっぽんあんかけ(日本料理ほう吉
3食の祭典 010
茶碗蒸し風にしてあるなかに野菜が入り、すっぽんの汁があんかけしてありました。すっぽんの臭いが気になり過ぎで食べ辛かったため、後で出てくる割子そばのもみ海苔がテーブルに備え付けてあったのでふりかけたところ、これが絶妙でした。嫌な臭いが消え、すっぽんエキスの旨みも味わえ食べ易くなりました。

しまね和牛と出雲おろち大根(日本料理おかや)4食の祭典 012
和牛の焼き肉に出雲おろち大根がおろしでのせてありました。大根をおろしたのがかなり前だったせいか辛みがほとんど無く、乾燥していてがっかりでした。各テーブルにおろし器を置いてお客にすりおろしてかけてもらう嗜好でも面白かったのではないでしょうか。今年は大根の出来が悪く、まだ大きく生育しているものが少ないことも原因でしょう。

蜆御飯と蜆の味噌汁(割烹温泉ゆらり)5食の祭典 013
6食の祭典 014
蜆御飯のおにぎりは蜆のエキスが十分に滲みていて生姜も効いていて美味でした。食べ終わって暫くしてから味噌汁がきました。(同時に配膳して欲しかった。)蜆の味噌汁はとても塩辛く、飲み辛かったので、呑んでいた日本酒を少しいれました。そうしたらとてもまろやかな味となり、しじみのエキスを十分堪能できました。

葱と原木なめこの葱味噌焼き(割烹温泉ゆらり)7食の祭典 016
葱味噌が味が濃く、たくさんかけてあったので、葱やなめこの味を味わうことが出来ませんでした。なめこは瀕死状態でした。あわてて、葱味噌を外して食材を味わいました。

出雲の舞を使ったそば(日本料理おかや)8食の祭典 018
どんなそばが食べられるか期待と不安で一杯でしたが、自家製粉のそば粉を使用しておられました。出雲の舞は以前紹介したように、出雲の新品種として期待が高まっています。まだ今年のそばは収穫前なので、昨年のそばでしたが、味は濃く、甘みもしっかりありました。ふなつを参考とされているのか、粗臼碾きのそばでした。洗いがわるいせいかそばがぬめっとしていました。乾燥していたのでひっついていましたが、お酒をかけてほぐしました。備え付けのだしは醤油辛く、そば用のだしではないのではないかと思うほど尖っていたので使いませんでした。

食用ほおずきのシフォンケーキ&西浜いものムース(レストラン クルトン)9食の祭典 019
最後にデザートです。このメニューの後にいきなりケーキはつらかったです。コーヒーか紅茶と一緒に食べたなら味を楽しめたことでしょう。

月見そば

かねや 002

朝夕が涼しくなり、温かいそばも汗を掻かずに食べることができる季節になりました。
出雲市内はまだそばの花が咲いていますので新そばを食べるのはまだ先の話です。
中秋の名月の季節だからという訳ではないですが、月見そばについてのお話です。
月見そばの卵の黄身を満月にみたてると、白身は月にかかる雲といえるでしょう。丼の中に風情があり、季節を感じることができます。
月見そばは出雲地方では、簡単にいえば釜揚げそばに生卵を落しただけのものです。(料金は、「釜揚げそば」+50円ぐらいが相場でしょうか。+100円のお店は儲け過ぎです。)
私なりの食べ方を紹介します。まずは丼の中でお月見をし、その後おもむろにそばを卵の上に覆い丼の下のほうに入れます。出雲地方では、釜湯とそばを直接器に盛るため、そばを水でしめて温め直すかけそば風よりも熱々です。卵が加温されるため、白身が程々にかたまり、黄身もとろけるような濃い状態になります(それまで我慢!)。よって、最初は釜揚げそばとして食べます。頃合いを見て黄身を潰してそばに絡めます。たとえるなら、焼きとりつくね風または、すき焼きのように黄身を絡めるような状態とでもいいましょうか。新鮮な卵なら丼の下に移動させても崩れることはなく、ぷりぷりの黄身が出現してきます。或る程度固まれば、だしと同化することなく、卵とだしの味を存分に味わえます。「釜揚げそば」と「卵の味との共演の月見そば」を一品で二通り楽しむことが出来るのです。
こだわり過ぎかもしれませんが、釜揚げしたそばだからこそ味わえる贅沢が「出雲の月見そば」にはあります。白身の食感が嫌いなかたもこの方法をお試しください

平和月見そば 003
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夏場の新メニュー

夏のお勧め 冷かけそば
塩そば 002

暑いときはいくら冷房の効いたお店でも、熱いかけそばや種物そばを食すことはためらいがちになります。特に汗かきの人は苦手でしょう。この季節、お店では冷水でしめた割子そば系の注文が多くなります。しかし、汗をかく時には熱中症予防のためにも体が塩分、水分を欲するため、だしもたっぷり味わいたい気分になります。そんなときには「冷かけそば」がお勧めです。
「冷かけそば」は、韓国冷麺や山形冷やしラーメンの「そば版」と言えるでしょう。
「冷かけそば」を提供しているお店は、出雲地方にはあまりありません。碾きぐるみのそばとはあまり相性が良くないのかもしれません。
冷かけそばには、細めんが合い、汁は白だし系の透き通った塩分の効いただしが合うようです。飲める冷たいだし汁という感じです。夏野菜(おくら、茄子、かぼちゃ等)と合わせて器に盛り、薬味におろし、ねぎ、海苔、とろろ、変わったところでは梅、すだち等と合わせると立派な一品に仕上がります。夏はソーメンと決めつけないで是非一度、お試しください。また、出雲地方のそば店の皆様、仕込みに手間がかかりますが、お客様に必ずや喜んでもらえると思いますのでお店の新メニューとしてご一考してください。

薬味(ネギ、海苔)入り
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塩そば(梅干しは必需品)塩そば 003
いりこだし風冷かけやな木 024
天ぷら入り冷かけ冷かけ 002

手打ち蕎麦とフレンチ

そばとフレンチの相性は?1やな木 001

先日、そばりえの仲間と新見にあるそばとフレンチのお店を訪れました。落ち着いた古民家風の佇まいのお店で食べる料理は、とても斬新で繊細な心配りがしてありました。コースの最後に出されたそばも違和感なくいただきました。お酒はワイン、日本酒が用意されていましたので、日本酒を注文しました。先日の松江のそば店よりも遥かに満足度が高く、「和」と「洋」のマッチングも有りだなあと確信しました。

付き出し(そばのスナック)
2やな木 005
冷酒(京都の銘酒)わっぱの盃がとても心地よい7やな木 017
アミューズ盛り合わせ(ドライ無花果と豚ミンチのプティテリーヌ、夏野菜のマリネ、桃のコンポートラベンダー風味、烏賊とアボガドの和えもの、ズッキーニのロール 蚊取り線香をあしらったソースが面白い)3やな木 007
前菜(ずわいがにとさつま芋のテリーヌ)4やな木 008
スープ(茄子ととうもろこしのスープ、自家製赤ワインのパン)5やな木 012
魚(白身魚のポワレ2色のカラーパプリカソース)6やな木 014
肉(千屋牛のリソレ甘露じょうゆソース 3種薬味ぞえ)6やな木 015
蕎麦は以下の品から1つ選択 おかわりに半人前の冷かけを注文した
蕎麦(もり 丸抜き)8やな木 020
蕎麦(もり 田舎)9やな木 021
そば(もり 更科)9やな木 023
そば(冷かけ)11やな木 025
デザート(果物のゼリーよせとアイス)12やな木 026



そば屋の会席料理

 出雲地方のそば屋でも会席料理を提供するお店があります。お酒とそばは切り離せないほど相性は良いです。そばを用いた一品はバラエティーに富んでいて、そのお店毎に様々な工夫を凝らしています。酒肴としてのメニューの定番としては、そばがきやそばの実を利用した椀物、そばサラダ、そば豆腐等です。最後の締めにはやはりそば切りを手繰るのが良いでしょう。気がついたことですが、あまりにも締めのそばの前の料理が懐石料理風にこだわり過ぎると、そばとのバランスが悪くなるということです。いつもの割子そばとかざるそばではグレード(等級)的に劣ってしまいがちです。私見ですが、そば屋の会席料理はあまりこだわらずに素朴な料理がそばやお酒との相性が良いのではないかと思います。こだわりの料理なら料亭で食べれば良いのですから。
 最近行った、松江のそば屋の料理を紹介します。
[そば豆腐]
そば清コース 002>
[お造り]
そば清コース 004椀物
そば清コース 006
鮎の塩焼き
そば清コース 007
そばサラダ広幅麺そば清コース 010そばがき団子の餡かけ中に鶏肉ミンチ入りそば清コース 011ところてん
そば清コース 013締めの割子そば
そば清コース 017[デザート]
そば清コース 018
おなかは一杯になったが、最後に麺+ところてん+麺と続き、食べ難かった。これで4000円コースなのだが、やや割高感を覚えた。
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