A級グルメとそば

A級グルメとそば
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A級グルメのまちとして全国的に評判となった邑南町にそば店が開店したということで、早速訪れてみました。三瓶から取り寄せた玄ソバを邑南町で栽培し、自家製粉されています。
そばを手繰ってみれば、風味が強く、キレもあり上質なソバであることが解ります。お店ももてなしにも品があり、流石、三瓶のこだわりの店の御主人による指導の賜物だと感じました。
しかし、何かしらの違和感を抱きました。
それは、観光客、来訪者のための店構えに思えたからです。また、指導されたお店とほとんど同じ仕様であり、残念ながらこのお店からは、邑南町の地域性が感じとれませんでした。また、一人前の量が少なく、価格も高いので、住民の方たちは頻繁には行き辛いように思います。
そばの食文化は日本全国各地で昔からその地域性をもちながら進歩してきたものです。そして、その地域の人々が好むそばとして、風土に合ったソバの品種、そばの食べ方を培ってきた伝統があります。そばは庶民の御馳走だったのです。(江戸そばも屋台から広まりました。)A級グルメとして祭り上げる食材ではないのではと思われます。レストランは観光客相手で成功しているようですが、そばは庶民の食べ物であり、田舎なら、気軽にお腹一杯食べて満足してもらえるそば店が似合うのではないでしょうか。
出雲そばの本拠地である、奥出雲、松江、出雲方面にしても、地元住民が喜んで日常的に食べている素朴なそばこそが、観光客に好まれています。お店がプレハブで器も安物でも、お店の人との会話や、気取る事ない素朴な味がとても印象に残り、また訪れたいという気にさせられます。
地元住民に愛され、邑南町の風土を感じさせる「ここでしか味わえない食」としての「そば」となるには、これからまだかなりの年月がかかると思います。日本の伝統食である「そば」という食の本質はそこにある筈です。


(※平成22年度 邑南町農林商工等連携ビジョン抜粋)
邑南町で生産される良質な農林産物を素材とする「ここでしか味わえない食や体験」≒“A級グルメ”と称し、新たな地域ブランドの構築により関連産業の活性化を目指しています。

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ざるそば+天ぷら ¥1300  ざるのみは¥800     天ぷらは具材があまりにも小さく何を食べたか記憶に残らなかった。
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鴨南蛮そば ¥980 +おにぎり¥250

岩海苔そば

岩海苔そば
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大社 きずき (十六島産 岩海苔そば)
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(隠岐白島産 岩海苔)

岩海苔(いわのり)とは、海苔と呼ばれる食用藻類のうち、岩場に自生している天然のもの及びその加工品の総称です。養殖海苔を「岩海苔」という表示をするのは間違いです。1980年代から、日本では景品表示法の適用上で表示が厳密化され、岩礁に自生しているもの以外の商品については「岩海苔」と表示できなくなっています。
天然海苔の利用は古墳時代には始まっており、特に、出雲国など西日本の日本海側が、早くから重要産地でした。島根県は全国有数の岩海苔の産地で、特に十六島(うっぷるい)海苔は有名です。
干潮時に岩の上に露出して自然に日干しになったものを剥ぎ取ったものは、ハギノリと呼ばれ、十六島海苔としてよく販売され、本地方の風習で正月の雑煮には欠かせないものとなっています。岩海苔が養殖海苔と同じように摘み海苔を板状に加工されるようになったのは、大正時代頃からです。その後、岩海苔は、養殖海苔に比べて生産量が少ない、希少価値のある商品として見直されています。
岩海苔と養殖海苔の違いは何といっても、香りの強さと、食感にあります。岩海苔は弾力があり、食べごたえがあります。十六島海苔の板海苔は、上手に干してあるため、柔らかく艶があり、焙ると緑ががってきて香りが出てきます。隠岐の岩海苔は厚めでゴツゴツした感じですが、汁に浸すと食べやすくなります。
そばに合うかといえば、出雲そばのように風味が強いそばとの相性は良いと思います。それぞれの風味を邪魔しないで味わうことができます。岩海苔は手作業なので、生産量が少なく希少なため、「岩海苔そば」が食べられるお店は限定されます。
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これは養殖干し海苔

縁結びそば

「縁結びそば」
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1/21,22に広島で開催されます、「島根ふるさとフェア2017」
において出雲そばりえの会が出店します。
そこで、「縁結びそば」というメニューを考案しました。
出雲大社前の老舗かまぼこ店のかまぼこを結びかまぼにして、
岩海苔の上にのせました。
岩海苔は出雲の歴史ある十六島海苔の板海苔が現在生産中のため
隠岐の岩海苔を使います。
手打ちの出雲そばを食べ、なにかのご縁も得てもらいたいという思いです。

2016年度新そば

新そばの季節を迎えました。
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     【平和そば本店 床の間の掛け軸 新そば十五景】

出雲地方も、待ちに待った新そばの季節を迎えました。
新そばの採れたては、フレッシュ感があり、粘りも強く打ちやすいです。
ゆで上がったそばは艶があり、一年前のそば粉とは違いが明らかです。
しかし、今年はこちらで出回っている玄ソバでは、香りが弱い傾向のようです。
いろいろ試してみました。
北海道産キタワセ、出雲産シナノ、奥出雲産ヒタチ、蒜山産シナノ等いずれも
新そばは香りが薄く、味もやや淡泊でした。
毎年、この時節はそうですが、今年は特にそう感じます。
原因は開花時の長雨、台風で出来が悪かったことかもしれません。
しかし、これから寒くなり、玄ソバをねかせておけば、風味が増してきます。
人の好みがあり、このフレッシュさが好きという方もいらっしゃることでしょう。
ワインでいえば、つくりたて新酒(ボジョレーヌーボ―)が好きな方もいれば
何年も寝かせた熟成酒が好きなかたもいることに似ています。
これからだんだんと風味が増してくる出雲そば。
期待してください。

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新そばの艶(写真では表現が難しのでお店で確かめてください)
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そば粉のブレンド

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そば粉のブレンド
 そば屋さんの店内に、「○○産、◇◇産そば粉使用」と記された掲示版を見かけることがあります。何故、複数の産地のそば粉をブレンドするかといえば以下の理由が考えられます。
 ・自分の求めているオリジナルな味を追求するため。
 ・ベースとなるそば粉に足りない点を補うため。
(例えば粘りが少ない粉に粘りが強い粉をブレンドする。香りや甘味が強い粉をブレンドする。単調な食感や味に深みをつける等)
 ・安定した風味を常に確保するため
 ・良質なそば粉ですべて打ちたいが、原価を抑えるため、割安なそば粉をブレンドする。
同じ産地でも生産者の違いや、栽培箇所の違い、乾燥具合で玄ソバの状態が違うため、別物となることがあります。お店では仕入れてしまったそば粉、玄ソバの品質が良くないとき、お店としてどうしても譲れないレベルにまで上げるにはブレンド技術が必要となります。お客様にある一定以上の味を安定して提供することができるのです。
また、碾いた粉のどの部分を利用するかでそばの味は大きく違いますので、一番粉、二番粉、三番粉の配合もその意味ではブレンドといえるでしょう。そば粉の特徴をよく掴んでブレンドすれば風味や食感のバランスが良いそばに仕上げることができます。その点からいえば、そばとコーヒーは似たもの同士で、コーヒー豆のブレンドも同じことがいえるでしょう。
http://262812k.blog27.fc2.com/blog-entry-62.html

そばの香りと匂い

そばの香りと匂いの違い
あごう

 新そばが待ち遠しい季節です。台風の襲来により収穫量が心配です。夏場の蒸し暑い季節を越えて、気温も下がってきましたので、そばが打ちやすくなりました。昨年収穫したそばの保存状態や、製粉状態によりますが、茹であがったそばが穀物臭もしくは蒸れたような香り?がすることがあります。これは「香り」ではなく「匂い」なのです。薬味やだしを混ぜると感じなくなりますが、そば本来の甘い五感をくすぐるそばとは程遠いものに変化してしまいます。粉の保存状態も原因かもしれませんが、出雲そばは挽ぐるみなので、状態の悪い玄ソバで挽いた二番粉、三番粉をたくさん入れると「匂い」が発生する危険度が増すものと思われます。それ程、そばは細やかな気遣いが必要なものだと、改めて痛感させられる今夏でした。

割子の容器

割子の容器

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割子容器は丸い器で、大きく分けて横が膨らんだタイプと直タイプがあります。横が膨らんでいるとそばの量がたくさん入ります。同量いれて試してみました。(そばの量 70g)

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やはりたて壁タイプがたくさん入っているように見えます。

また、水切りが不完全でべたっとそばを入れているお店があり、見た感じが悪く、食欲をそそりませんし、水切りが悪いと
そばの風味が出にくいように思います、そばをふわっと入れ、空気が入れば見た目も量が多くなり、香りが立つ筈です。
水切りが不備な例
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しっかり水切りし、ふわっと入れた例(そばの量は同量)
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割子容器の歴史
割子そばの容器は、江戸時代に松江の趣味人たちがそばを野外で食べるために弁当箱として用いられた形式が基となっていて、当時の割子は正方形や長方形、ひし形などさまざまな形でしたが、1907年頃に当時の松江警察署長の発議により丸形の漆器に変わったと言われています。(割子が四角形であると四隅が洗いにくく、衛生的見地から問題がある。)

三瓶のそば店

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三瓶高原で山林伐採後に焼畑で栽培していた三瓶そばは古い歴史があり、三瓶在来種はその深い風味で人気があります。そば店が数件存在しますが、そばの美味しい冬期は積雪のため休業するお店が多いのが残念です。最近提供を始めた旅館の若女将の打ったそばが評判と聞き、訪れてみました。外から見ると古びた旅館なのですが、中に入ると姉妹で経営されているので、綺麗な趣のある室内でした。小屋原の修業先で製粉してもらっているそば粉は、もちろん三瓶産で、風味豊かでした。そば切りは繊細で、だしも上品でそばの味を引き立ててくれます。もちろん三瓶産のわさびが添えてあり、口直しに味わえば、常に新鮮なそばの味を堪能できます。天ぷらは修業先で指導されたようで、とても上品でした。女性らしい細やかさを感じるそばでした。
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その後、この旅館近くの三瓶そば振興の先駆者といえる名人のお店にも寄りました。その名人のそばは、やはり凄い!!三瓶の自然の豊かさを直に味わっていると実感できるほどのインパクトがあり、三瓶そばの醍醐味を満喫できるそばです。そばの力強さに合う、濃いめの旨味の効いただしが相性抜群です。そば通を唸らせるそばではないかと感じました。
三瓶そばの食べ歩き、食べ比べがまた楽しみとなりました。


名人のそば店
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カップ麺

カップ麺
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寛政元年創業の 老舗そば屋 が監修した、「老舗の逸品 総本家更科堀井監修 天麩羅そば」が販売されています。総本家更科堀井は、寛政元年 (1789年) 創業で、 227 年の歴史を持ち 9代目店主である堀井良教 氏が監修 されました。前回の老舗の逸品シリーズは、「神田まつや」監修の鴨南ばんそばでした。
私が、東京で30店舗以上食べ歩き、感動したお店の中でも3本の指に入る印象深いお店です。お店の味に近づけるために、かつお節とさばを使用したつゆは 、甘みを抑えて醤油 の香りと味を際立たせ、キリッとすっきりした味わいを再現 されたようです。具材 は、天麩羅 と白ネギ入りです。これまた江戸より続く老舗の 「やげん堀 七味唐辛子本舗」が特別に調合した 唐辛子付きで、好みの辛さで食べることができます。
カップ麺なので、そばの風味はありませんが、インスタントなりの努力がなされていると感じました。最近、ラーメン業界での名店、人気店のカップラーメンがたくさん出ていますが、その一環でそばもということになったのでしょう。名店仕様のカップ麺を食べた人は、お店で食べた感動を思い出し、またその店を訪れたい衝動に駆られる、その宣伝効果はあるように思われます。

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店舗の紹介 ~思わずせいろを手繰りたくなる~
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そばと天ぷら

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出雲そばのお店は、家族で営まれていることが多く、天ぷらまで手が回らないようです。
奥出雲で、天ぷら+ざるそばセットメニューを新しく加えたお店を見つけました。
季節の山菜等の天ぷらがあれば思わず注文してしまいます。
天ぷらとそば出汁は相性が良いし、そばだけ食べるより、満足度があがります。
割子そばではそば猪口が無いので、天ぷらを付けるときには、どうしてもざるそばに
なります。
塩が添えてあるお店もありますが、やはりそば屋では出し汁に浸けて食べる方が好みです。
しかし、あくまで”そば”が主役となるように、天ぷらはすこし嗜むくらいが良いでしょう。
(セルフのうどん屋で、天ぷらをとり過ぎて、胃がもたれ、うどんまで行き着かなかった息子
のことを思い出します。)

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天ざる1

各種山菜の天ぷら
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大社人気店の新装開店

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今年1月25日から改装工事のため休業されていました大社町杵築西、平和そば本店が本日(4月1日)リニューアルオープンとなりました。
私は、先日プレオープンにでかけました。
約二か月ぶりに食したそばはとても気品があり、麻布十番の江戸前そば有名店を彷彿させるような素晴らしいそばだと感じました。
以前東京へ行かれたときに、紹介したその店で大将がそばを食されました。その時の衝撃が忘れられず、そばの品質をより一層高めるため、お店の厨房、冷蔵施設を完備しようと決意されるきっかけになったのではないかと思います。

店内は一見 変わりないように見えますが
随所に細やかな工夫がなされていて
趣のある店内に仕上がっています。
厨房、そば打ち部屋もきれいに仕上がっていて
衛生管理、そばの品質管理を徹底するための設備が整い、
また、作業性にも配慮した仕様になっています。
眼に見えないところにすごく投資されていることに
大将の気概を感じます。
是非一度 おでかけください。


◆ 店内の様子 ◆
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◆ そば打ち場 ◆
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◆ 釜揚げと割子そば ◆
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◆ そばがきぜんざい ◆
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のしべら

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のしべら
そばの太さはお店によってさまざまです。太さの好みには個人差があり、どのくらいが良いとは言えません。そば打ちをしたことのあるかたならご存知でしょうが、延し厚によって切り巾が変化するものです。厚いとそばを切る幅も自然と広くなります。断面が四角になるのが理想とするなら尚の事です。
しかし、出雲地方では以前は「のしべら」なそばを打っているお店がたくさんありました。断面は長方形で切る幅が延ばした厚さよりもかなり広いのです。このそばを茹でると独特のぷりぷりした食感となり、噛んでいくと風味が湧いてきます。断面が正方形の太い田舎そばとは食感が異なるのです。
近年、細打ちのそばが流行しているため、この「のしべら」に出会う機会が減ってきました。しかし、あえて粗挽きのそば粉をもちいて「のしべら」なそばを出している新しいお店があります。店主の心意気を感じ、このそばを食べ、昔を懐かしんでいます。特に釜揚げを食べると、細いそば切りよりも満足感があり、出雲そばを堪能した気にさせてもらえます。

※「切りべら(切平)」は延した厚さよりも切り巾を薄く、この反対は「のしべら(延平)」 で延しの厚さより切り巾のほうが広い形をいう。

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