モンゴル産ソバ

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モンゴル産ソバ

先日、そばりえ仲間から、モンゴル産のそば粉が手に入ったということで、早速そば打ちをして、仲間で試食会をしました。このそば粉はモンゴルでそばの生産に関与し、高品質のそば粉を収穫する取組みをしている群馬県の会社から贈っていただいたものです。丸抜き石臼製粉で乾燥気味でしたが、粘りもあり綺麗に仕上がりました。品種はキタワセで国内の種を持ち込んで播き生産されています。味比べとして同社の群馬県産ヒタチも打ちました。こちらはヒタチ独特の粘りがあるのでよく延びました。
風味はモンゴル産のほうがかなり上だと感じました。日本蕎麦に適した玄ソバがモンゴルの大高原で安定して大量生産が可能となれば、喜ばしいことです。このような取組みが拡大すれば、外国産ソバの品質は悪いという印象は吹っ飛ぶことでしょう。

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そばりえセット

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新そばの季節となりました。出始めはやはり風味が弱いですが、フレッシュな香りをたのしみ、弾力のあるそばを噛みしめると心が弾んできます。行きつけのお店では、釜揚げと割子そば両方食べたいので、お品書きには載っていませんが、割子2枚と釜揚げの小をお願いすることがよくあります。(我が儘なお客だと思われているかもしれません)
しかし、最近そのお店で「そばりえセット」と名付けて新メニューとされました。やはり、出雲そばを堪能するには、両方食べたいですね。写真は一緒に写っていますが、釜揚げを先に持ってきていただき、食べた頃合いに、茹でたての割子そばを持ってきていただいています。
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薬味では、釜揚げ用の海苔がもみ海苔、割子用が刻み海苔とこだわりがあります。
また、釜揚げには削りかつをが欠かせません。

出雲そばの起源

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江戸時代前半の寛文6年(1666年)、出雲そばが蕎麦切りとして食べられていたことを示す文献が発見され、県立古代出雲歴史博物館に展示されています。
今回の資料は、松平直政が松江に移封されてわずか28年後の記事であり、この頃既に出雲でも蕎麦切が作られていたことが明らかになりました。従来から言われている、松平直政の家臣団が松江にやって来たときに信州の蕎麦切の風習も伝来したという説がより説得力を持ったということです。
 しかし、大社や、奥出雲、三瓶地方での蕎麦切りの始まりがいつのころからだったのかは、はっきりしません。直政公以降、松江からひろまったのではないかと考えるのが素直ですが証明するものはありません。それより前から寺院のほうから伝わっていたのではないかという説もあり、解明されるのが楽しみです。
これまでの出雲そばについては、出自が不明な言い伝えや伝聞がほとんどで、まともに昔の資料を根拠とすることがほとんどありませんでした。今後の調査に期待しています。
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そば屋の箸

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そば屋の箸は割り箸と決まったものだと思っていたら、最近、「エコ箸」といってプラスチック製の塗り箸を出すお店も増えました。割り箸は環境破壊につながるという意見もありますが、日本の伝統文化の一つなので、そば屋では、割り箸使用を基本として頂きたいものです。
 江戸時代中頃にはすでに割り箸があり、江戸末期にはそば屋で利用されていました。但しこの頃は竹製の引き裂いて使う割り箸でした。日本での割り箸生産は明治時代に樽を製造する際にスギの端材を有効利用して製造されたことに始まっています。
(それ故なのか?出雲で江戸末期から創業の老舗そば店では竹箸です。但し、匂いのキツイことが多く、そばの香りを邪魔するので、私は一度そば湯に浸けてから使っています。)

割り箸の良いところを挙げてみます。
① 潔さ・衛生的 … 割箸はもちろん未使用で、清潔な感じで食事ができる。日本人固有のきれい好きな国民性からも適していると思われる。
② 機能性 … そばを手繰るのに滑らないので最適である。
③ 環境性、利便性 … 塗り箸は繰り返し使うので環境に優しいと思われがちだが、洗剤を使うし、水資源的にいえばマイナスとなる。一度使った箸を洗って出すということは、以外と時間と労力がいる。
④ 観賞性… 自然素材の良さを生かした割箸は日本人の美的感覚に合致する。 

私は未だに、お店で塗り箸を使うことにやや抵抗感をもっています。
また、割り箸には楽しませてくれる別の要素があります。それは、「箸袋」です。お店の思いが伝わってきます。箸袋には様々なものがあり、以前からコレクションをしています。

※追記:割り箸は、国内で消費されている9割が輸入に頼っていて、そのほとんどが中国産です。中国は森林保護制度が無いらしく、森林破壊の論争が起きたことがあります。中国産が多いのは価格の安さにあります.
しかし、コスト高にはなりますが逆の発想で、環境保護のため国産の間伐材から製造される割り箸の使用量が増えることを願っています。国内で森林の放置による木々の密集によって森林環境が悪化するのを防ぐ間伐などを行い、国土保全、CO2を十分に吸収できる森林の形成と国産材の積極的利用を通じた山村活性化に繋がります。

松江方面 箸袋
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安来~米子方面 箸袋
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出雲、奥出雲方面 箸袋
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出雲でそば前

出雲で「そば前」
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「そば前」(お酒)と肴を楽しんでから、最後にしめでそばを手繰る。そんなことが出来るそば屋は出雲地方では僅少です。江戸では、江戸時代から昼間でもそばを待つ間に軽く一杯ひっかけるのが常識だったようです。今年2月に松江京店で開店したそば店は夜だけの営業ですが、そば前を十分に楽しめる憩いのあるお店です。地元の食材を用いた肴を軽くつまんで地酒を呑み、程よい心もちとなったところでそばを注文します。そばを待つ時間に銚子の酒が底をつく頃がベストでしょう。

お酒と肴 (そば味噌、しじみの佃煮 
地酒は日置桜にごり(熱燗)、玉櫻純米五百万石(ぬる燗))
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そばのメニュー
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品数は少ない。定番の品の中に「しじみ蕎麦」? 
これは何か訳があると思い注文しました。
予想通り、店主の思い入れの強い一品でした。シジミのエキスがでた塩味で優しい味わいのだし汁が何とも感動的です。そばを手繰るのをやめ、だし汁を飲み干してしまいそうになりました。 そばは丸抜き。

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割子そば(挽ぐるみ、荒臼でぷりぷり)
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そばやで会席

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出雲地方ではそばやで会席ができるところは僅かです。
或る出雲市内の老舗では、要予約で、お酒と料理とそばを楽しめます。
ある会合で、10名にて利用させていただきました。
モダンな個室部屋へ案内され、
とても上品で気品高い料理が運ばれてきて、初めてのお客さんは驚いていました。

献立
一、先付
  フォアグラ養老蒸し
  筍葉山葵和え
  鼈甲餡
一、前菜
 蕎麦の実なめこ
 枝豆福草
 酒盗チーズ
 揚げ蕎麦のミルフィーユ
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一、赤酢握り
 シマアジ 海老 鯛の塩湯引き
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一、炊き合わせ
 合鴨ロース蒸し
 ネギのブレゼとネギソース
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一、強肴
 真鯛のポワレとバジルの乳化ソース
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一、本日の蕎麦
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やはり、そばやではこれを食べないと・・・
お酒がすすんだせいもあってか、あとではっきりと記憶に残ったのは「割子そば」だけでした。

出雲そばと琉球民謡

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宍道湖西岸でひっそりと営業する「かくれ庵」は今年で10周年を迎えます。その記念イベントとして、4月22日、沖縄から歌姫を招待しミニコンサートが開催されました。
題して「宍道湖畔に舞い降りた琉球民謡の歌姫(てるしの)」
グループ名:てるしの 親子二人の共演
 清美さん(母 歌・太鼓) 優里英(娘 歌・三線)
母屋に特設ステージを作り、約100人の観客で超満員、大盛況でした。昨年、かくれ庵のご夫婦が沖縄観光に行ったとき、その声に惚れ込んで親しくなり、出雲に招きコンサートをする運びとなったようです。三線、歌声、顔?共にとても美しく、参加者は皆、琉球民謡に酔いしれていました。
開演前にお客様に割子そばを提供され、私も久しぶりに食べました。よく訪れるのですが、ご夫婦と話をするだけで盛り上がってしまいそばを茹でてもらう機会を逃しているからです。かくれ庵のそばは、食べやすくやさしいそばで、何枚でもいただけるような気にさせてくれます。ご主人の打ったそばと奥さんのだしがとても相性が良く、10年間で築き上げた夫婦の息の合った業だといえます。
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そば湯

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そばを食べた後に、そば湯を飲む、これを是非とも習慣づけて欲しいです。そば湯を飲むことは栄養分が釜湯に溶けだしているため健康のためにも良く、だしを入れて味わえば、さらに満足感が得られます。また、そば湯を飲むことでお腹が膨れるので、腹持ちが良くなります。
『そば湯』とは、簡単に言えばそばの茹で汁のことです。うどんやラーメンでは茹で汁を飲むことはありえないでしょう。そばは、健康に良い「食」である証しではないでしょうか。寒い季節は、そば湯を飲めば心身ともに温かくなります。
美味しいそば屋さんは、そば湯も文字通り絶品です。 そば湯を飲むだけでも、そば屋の店主の腕、そばへの熱意が判断できます。心づかいのあるお店では開店時は釜湯がさらっとしているのでそば湯がとれないのですが、別にそば粉を溶いてそば湯を用意しておられます。釜湯の底はどろっとした濃いそば湯がとれますが、上面のほうはさらっとしていますが、さわやかな香りが楽しめますので好みで選べるお店もあります。
繁盛している時間帯はそば湯濃く、とろっとしていて、お客の入りが解ります。実は美味しいそば湯を出しているお店は、そばも美味しいのです。そば湯は、打ち粉(そばがくっつかないようにするための粉)の品質で大きく変わります。ソバの実の中心部分の白いサラサラした粉(御膳粉)が一番です。しかし、値段が高いため、馬鈴薯澱粉やコンスターチ入りの打ち粉を使っているお店もありますがそば湯が美味しくありません。

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幻のそば、うどん

「ほうこそば」
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島根県東部の山間部では、草餅の原料として、ホウコを用いていたようです。ホウコ(正式にはキクバヤマボクチ)は山林の荒廃に伴い自生数が減少していますが、佐田町朝山地区では、昔懐かしいホウコを使い地域の活性化につなげようと栽培が始まりました。
出雲須佐温泉ゆかり館で発表会があり、「ほうこそば」「ほうこうどん」が披露されました。ホウコの葉をゆがいてあくをだし、乾燥させて製粉し、そばのつなぎに使うと強い弾力が生まれます。
長野県では、ホウコの近親種のオオヤマボクチを使った富倉そば(別名ボクチそば)が有名です。富倉そばは地元のおばあちゃんが丁寧に1時間も捏ねてまとめられるらしいです。小麦等のつなぎの無い時代の工夫といえるでしょう。
私も試しにホウコを用いてそば打ちしてみました。事前にお湯で溶いてから水回しをしましたが、硬くなりなかなかまとまらないので苦労しました。含水量も通常よりかなり多めでした。また、かなり硬くなる性質があるため、包丁切りも難しく時間を要します。今後、そば粉の種類や、ホウコの含有量、水加減等の研究を重ねて、ほうこそば独特の風味や食感で楽しめるようになると面白いです。個人的にはホウコはうどんと相性が良く、そばに入れるなら茶そば等の要領で更科そばに混ぜてみてはと考えています。
「ほうこうどん」
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そばの水締め


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茹でたそばを冷水で冷やす。これはそばをシャキッとさせるために必要な工程です。
しかし、この寒い季節に氷水につけると冷えすぎて風味がほとんど無くなります。
必要以上に冷やされたそばは、香りが無く、ただ固いか、弾力があるだけの麺となってしまいます。
それでも食感を重視し、決まりきったように氷水にしっかりつけてから水切りすると、歯にしみるぐらいのそばになります。そんなそばは暫く置いて、温度が上がってから食します。そうすると風味が復活してきます。割子そばで、一段目より三段目のほうが美味しく感じるときは、そばの締め過ぎが原因である場合が多いでしょう。
そば粉自体の風味が落ちる夏場には、冷たくして食感だけでも満足してもらうことは有りかもしれません。夏は冷たいものを欲するものです。しかし、今の季節は氷を使わないで水道水で十分だと思います。一年で一番美味しい時期に、風味を如何にして引き出すか。単純かつ繊細な食べ物だからこそ、最も配慮すべきことではないでしょうか。


そば切りの太さ

そば切りの太さ
最近、行きつけのそば店で、いつもよりそばが太いことに気づきました。この店は以前から釜揚げそばと割子そばの太さを変えているこだわりがあります。この変化は無意識ではないと判断し、店主に聞いたところ、新そばなのでよりそばの風味を味わっていただこうと配慮されたとのこと。実は、以前からもう少し太いほうが良いのではと思っていたので心弾ませ食べました。かみしめて食べるとそばの味がより伝わってきます。荒臼碾きのそば粉を用いておられるので、この太さのほうが良いと感じました。できれば通年この太さでそば打ちしていただきたいです。ちょっとの違いで、こんなに風味が変わるなんて…出雲そばの奥深さをあらためて実感しました。

写真では解りづらいとおもいますのでお店で食べてみてください。
(出雲市役所近くのお店)
若干の太さの違いです。

割子そば(左 以前のそばきり 右 現在)
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釜あげそば(左 現在 右 以前)
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追記:
このお店のうどん。だしが凄く旨いです。高価な本枯れ鰹を主として丁寧にだしをとっています。飲み干さないともったいないくらいです。繁盛しているとき、うどんは早く出来上がるのでお試しください。
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