FC2ブログ

紅そばまつり

華麗な赤い花が咲いていました
pc_1257518857.jpg
10月25日に吉賀町真田地区で開催された「紅そばまつり」に行ってきました。
昨年 出雲全国そばまつりで講演された信州大学の氏原暉男名誉教授から、紅そばを吉賀町で栽培しているという話を伺い、今年は見に行こうと決めていました。
2~3ヘクタールの田が、赤い花のじゅうたんで覆われていました。この日は冷え込んでいたため、よけいに花の色が鮮やかさを増していた気がします。近くで見ると、露を付けた花びらが、太陽の光で輝きを放っていました。
 紅そばは氏原先生がヒマラヤで紅い花のそばに出会ってから、長年研究を重ね、日本の風土に合うよう品種改良して「高嶺ルビー」という名称で品種登録されたものです。ですから「高嶺ルビー」は高冷地で栽培するのに適していて、「赤そばの里 信州箕輪町」等が有名な栽培地です。
 紅そばの花は一ヵ月程度と白いソバより長い期間花を観賞できます。白いソバは独特のアンモニア臭を出して虫を引き寄せますが、紅そばはあまり匂いませんでした。華やかな色で人も虫も引き寄せられるのでしょうか。
 白い花のソバは清楚な美しさがあるのに対して、紅そばの花はやはり華麗という言葉が似合いそうです。まさに、高嶺のルビー色です。
 「紅そばまつり」では、そばや和牛の丸焼き鮎の塩焼き、農産物などが販売されていました。 昨年採れた紅そばと日本在来種の新そばの食べ比べができましたが、一年前の紅そばは風味が弱かったのが残念です。咲いていた花が実になり高嶺ルビーの新そばとなる日を楽しみに待つことにします。
2176.jpg
2171.jpg
2170.jpg
手打ちそば
2172.jpg
2177.jpg
  紅そばと新そば(在来種)
2173.jpg

そばの花が満開です

新そばが待ち遠しい季節です
2156.jpg

出雲地方ではそばの花が平野部、山間部ともに満開です。
この頃は天候に恵まれ、寒暖の差があり、そばの生育には申し分ありません。北海道、東北地方は収穫の時期になりましたが、天候不順であったため、出来が悪いようです。
出雲地方のソバはこのまま順調に稔り、10月末の出雲全国そばまつりで香り高い新そばのお披露目ができることを祈っています。

奥出雲地方
2155.jpg
2157.jpg
2158.jpg

いちめんのソバ畑(出雲平野 遠くに見えるのは出雲ドーム)
2159.jpg


玄丹そば

玄丹そばでそば打ち教室が開催されました
そば1-1

2月15日に玄丹そばを使ったそばうち教室が松江で開かれました。
この教室の企画は、松江市、松江そば組合、JAくにびきなどでつくる「玄丹そば協議会」によるものです。
松江市の特産物となった玄丹そばについて、地元の方々にそばうちから体験していただき、地元の農産物への関心、認識を深め、親しんでもらおうという趣旨です。
このそばうち教室の講師をそばりえ仲間で「まつえそば打ち研究会」の原信幸さんと共に務めました。
玄丹そばの栽培が始まって12年が経ち、現在約110haで栽培され、生産量は約50トンになりました。ソバの栽培は天候に左右されやすく収穫量も安定しませんし、味も年ごとに違いがあります。もともと水を嫌うソバを水田で栽培するという大きな矛盾がありました。しかし、生産者や関係者の努力が実り、「玄丹そば」として商品化されました。
今年の玄丹そばは出始めはやや淡白な味と香りでしたが、今の時期に出回っているそばは艶が出て味の深みもあり、状態が良くなっています。
地産地消でこそ、「出雲そば」と胸を張っていえます。収穫量の関係で、例年春過ぎまでは玄丹そばを松江のそば店で楽しめる筈です。
あるそばうち名人が「田んぼでソバを作ったって、良いソバが出来る訳ないでしょ。」と言われたことが記憶に残っています。是非この名人に見返してもらえるような「玄丹そば」になることを望んでいます。
そばうち教室に参加された方たちには、私の打ったそばを試食してもらいました。ご家庭では、持ち帰った自分たちで打ったそばを食べながら、そばうちの楽しさ、難しさの話題で盛り上がっていることでしょう。

そばうちの指導
2059.jpg
2061.jpg
2062.jpg

「玄丹そば」
松江市では、減反田を利用してのそば栽培と、幕末に松江藩を救ったといわれる「玄丹お加代」という女傑の名前に引っ掛けて「玄丹そば」と名付けた。
2064.jpg

そばとお酒(その2)

何故 そばとお酒は相性が良いのか?
pc_1209131218.jpg

そば屋で飲む酒は格別に旨い。そばとお酒の相性が良い理由を考えてみました。

1.そば屋の酒肴はシンプル

酒肴、酒、そばが一体となりお互いの良さを引き出します。そばの種物等に用いる材料(卵、やまいも、海苔、蒲鉾、天ぷらの素材等)で肴が作られます。海苔はそばにかけると香りが邪魔するため敬遠される人がいますが、酒の肴とすればお酒と合います。また、出雲地方特産の板わかめ、あごのやきも格好の肴となります。

2.だしの存在

だしは日本酒と深みのある相性を見せます。だし汁が本物だからこそ、そば切りまでの期待感をそそられます。(出し巻き玉子はお酒にぴったり。必ずといっていいほど注文します。)天ぷら、そばがきをそばだしで食べる。お酒がすすみます。

3.そばもお酒も同じ穀物である

 精白度が高い吟醸酒や大吟醸酒は造りが難しく高級だと言われていますが、実は低精白の米で雑味を少なく綺麗な酒を造るほうがより手間がかかります。出雲そばはいわば低精白でありより難しいそば粉を用いているといえます。
新酒はフレッシュで旨みは古酒、ひやおろしが上。そばもとれたてよりすこし寝かせてから製粉したほうが味の深みがでます。また、そばは二八か生粉打ちかの議論と日本酒(特に大吟醸酒)のアルコール添加酒と純米大吟醸酒のどちらが良いかという話に似ています。
このように同じ穀物類を原材料とする「そば」と「日本酒」はコンセプトが似ています。似たコンセプトのもの同士 合わないわけはありません。

4.「粋」を感じさせる

そばには喉を通り過ぎたときにさわやかな清涼感があり、食べ終えた後は香味だけが残ります。粋に飲んで粋に食べると、お店を出た後の余韻が楽しめる筈です。
そば屋ではあまり語らず、さりげなく飲み(飲みすぎはあとで味わうそばが台無しとなります)、食材の本質を味わうことをお勧めします。


居酒屋と異なり、無駄をこそぎ落とした清さ、シンプルさがポイントです。そば好きで酒好きな人は、そばにお酒を振りかけて食べることも楽しみとしています。

日本酒とそばの関係を述べましたが、焼酎はそば屋ならではの飲み方があります。
それは、焼酎のそば湯割りです。麦焼酎でもそば焼酎でも構いません。そば湯で割るため安い焼酎で十分だと思います。

そばとお酒の関係は、そばの伝統文化をも味わい、そば屋の旨さが生まれていると結論づけたいと思います。

桜そば

春を感じさせます


pc_1207674461.jpg

今、桜が満開です。
この季節限定として「桜そば」を食べさせていただけるお店があります。
そばコースの中の一品です。前回、お酒とそばについて書きましたが、お酒と共に頂き、春を感じさせる趣向に心が弾みました。
花見にはお弁当をひろげたり、バーベキューをしているグループは良く見かけますが、そばを食べている人は稀だと思います。桜の木のそばで茹でたてのそばを食べる試みは大変です。しかし、私は夜桜とそばということで、毎年、市内の公園でそばを振舞っています。
昔、夜鳴きそばとして屋台で食べられたことを思い出します。「そばりえ」としては何処でもそばを食べてもらおうと意気込んではいますが準備が大変です。外で茹でたてのそばを洗い、こしのある冷たいそばを食べることは難しいため、あらかじめ茹でておいたそばを温めて、かけそば風に仕上げます。外ではやはり温かいそばが似合います。

そば豆腐とたらの芽
1821.jpg
桜そば
1822.jpg





鴨南蛮

鴨とそばの相性は抜群です
邇・コオ+009_convert_20100526180205[1]

3月を迎えようとしているのに寒い日々が続きます。この季節のそばとして人気が高いのが「鴨南蛮(かもなんばん)」です。南蛮とはねぎのことを指しています。以前は「南蛮」といっても鶏肉を使った鳥(かしわ)南蛮が多かったようですが、合鴨肉を入手しやすくなったこともあって、この品書きを売りものにするそば屋が増えています。合鴨は年間を通じて流通しており、品質も向上しているから、冬場の季節商品としてだけではなく、年中提供している店も少なくありません。
合鴨の脂身は牛・豚肉の脂身と異なり不飽和脂肪酸を多く含み、ミネラル・ビタミン・鉄分なども牛・豚肉の2~4倍の数値といわれています。美味しいだけでなく、栄養が豊富な面でも合鴨を使った料理は注目されています。
最近、特に健康を気にする女性に人気が高いように思います。
鴨肉はビタミンB1、B2の量も肉の中でトップクラス。 糖質をエネルギーに変える作用があり、代謝促進の作用からダイエットにも向いています。疲労回復、精神安定、ストレス解消にも効果があります。
 また、鴨肉の鉄分は豚肉の2倍の量で、自身のたんぱく質と葱のビタミンCにより吸収が促進され、 ビタミンB1は葱の辛味成分(アリシン)が吸収を促します。 これらのビタミンは水溶性ですのでそばつゆ(汁)に含まれます。ですから、鴨とねぎ(南蛮)は味の相性だけでなく、栄養的相性も良いといえます。
鴨南蛮・鴨せいろ共に人気が高いメニューです。
鴨を入れたそばは、つゆを味わうそばで、鴨のくせのある香り、甘みが楽しめます。
出雲そばは味深く、香りも高いので味や香りで負けることがないため、そばの味も同時に楽しむことができます。しっかりと打ったそばは鴨のだしと上手く調和します。お店毎に工夫されていて、鴨の風味を全面に出したものや、においを和らげるためにだしを薄味にし、しょうがを隠し味にしたものなど様々です。鴨肉は火を通しすぎると硬くなるため、調理時間に気を使い、炙ってからさっとそばつゆに入れたり、葱を焼き甘みを引き立てたりして最高の状態で食べてもらえるよう配慮されています。

是非一度、出雲そばの鴨南蛮を食べてみてください。


【鴨南蛮そばのいろいろ(写真は鴨汁そば 熱いだしに冷たいそば)】
pc_1204049087.jpg

鴨南蛮そば ねぎが焼いて香ばしく甘みを感じ、鴨のだしを含んでいます。
1796.jpg

あっさりとした仕上げで、隠し味にしょうがが利いています
1797.jpg

葱とごぼう入り

1798.jpg





年越しそば

何故 大晦日にそばをたべるのでしょう?

pc_1198846530.jpg

大晦日のそば消費量はどのくらいなのでしょう?
多分、日本人でそばアレルギーでない人の大半はそばを食しているのではないでしょうか?
私の大晦日は、朝から晩までそば打ちをしています。
私の打ったそばを心待ちにしている人がいると思うと自然とエネルギーが湧いてきます。
年の締めくくりに食べる年越しそば。「人生はそばのように細く長く生きるという意味で食べる」という説はよく聞くところです。
年越しそばの風習が広まったのは、江戸時代中頃。いろいろな説がありますが、そばは切れやすいので、一年の苦労を切り捨てようとして食べるという説もあります。
しかし、そば切りが下手で茹でている途中でぼろぼろ切れるそばは皆に好まれないことでしょう。細く長くなるよう気を使いそばを打っております。
そば店では、一年で一番忙しい日ですので、注文に追われています。手打ちそばなので作る量が限定されるため、すべてのお宅が手打ちのそばをたべることは難しいでしょう。
温かいそばであれば、乾麺、半生麺でも結構美味しいものですが、冷たいそばとして食べるなら手打ちそばにはかないません。

是非、大晦日には自家製の手打ちそばを作ってみることをお勧めします。
そばブームにより、ホームセンター等でそば打ち道具のセットが売れていますが、
家庭で少量ずつ(2人前ぐらい)そばうちをすれば、台所の道具で出来ます。
そば粉160グラム 小麦粉40グラム 水100cc程度
ボウルでこねて、こねた玉を小さくわけてまな板の上などで伸します。
のしたそばに打ち粉をふり重ねて切ればできあがり。

毎年の恒例行事として、家庭のそばの味を創ってみてはいかがですか。



新そばの艶(つや)

寒いときにこそ
新そばには独特の光沢、艶(つや)があります。思わず食欲をそそられます。
寒いときには温かい釜揚げそばなどのかけそば系がたべたくなるのですが、新そばは茹で上げたそばを水で締めると透明感のある美しく旨いそばになっています。是非冷たいそばも味わってみてください。
新そばはかむともちもち感があることに気付きます。個人的にはあまりもちもちし過ぎたそばは好きではありません。十割そばで味わうより二八そばのほうが旨いと感じるそばとなることがよくあります。そば粉の質、荒さが大きく関係するのですが。
割子そばでだしをかけて食べるより、この季節は出雲そばをざるで食べると新たな発見があるはずです。そばをたぐりそば猪口のだしにちょっとつけて一気にズズッとそばを食べる。こんな江戸前風のそばの食べ方をしてものどこし良く、旨さを感じるそばに仕上がっています。

最近、お店をいろいろと回り新そばの写真を撮りました。ご覧ください。

ひきぐるみ ざる
1755.jpg

丸抜き 三瓶そば ざる
1758.jpg

丸抜き ざる(荒臼)
1756.jpg

天ざる(荒臼 丸抜き)
1757.jpg


江戸前 ざる
1759.jpg




そばうち教室

そばうち教室が盛んです
pc_1196791975.jpg

まいぷれ出雲企画http://www.mpsanin.com/izumo/によるそば打ち教室が出雲そば商連絡協議会の協力により開催されました。
こんなに大勢の現役そば職人が集って指導することは稀なことではないかと思います。
私は見学させてもらいました。
マンツーマンで熱心な指導をうけたため、受講者の皆さんは大変満足した様子でした。
そばについての説明もあり、実演ありでそばの知識も深まりました。受講者は20人程度でインターネット世代が多いことから若い方が多く参加されていました。
出雲そばの本来の打ち方の特徴は、丸く延し、こま板を使わない手切りです。しかし、初心者の方には難しいため、こま板を使ってそば切りをされました。

参加者の皆さんのご家庭では、今年の年越しそばは自家製のそばとなることを期待しています。

そばうち実演(プロの技を拝見)
1732.jpg

水回し(均等に水がまわるようにがんばってます)
1733.jpg

菊練り(初心者には難しいワザ)
1734.jpg

延し(最初は手で丸く延ばします)
1738.jpg

延し(親子で力を合わせて麺棒を使い)
1735.jpg

切り(子供が心配そうに)
1736.jpg

完成品(上手くできました)
1737.jpg




そばの香り

新そばの香りを楽しんでください
pc_1195754130.jpg
<
他の麺類と異なり、そばは香りを楽しむことができます。
そばにとって香りはとても大切な要素です。
この香りを出すために、生産者、製粉所、そしてそば店は知恵を絞っています。
新そばは香りが強いと言われています。現在出回っている今年の新そばはやや香りが弱い気がします。もう少し経てば強い香りの立つそばになることでしょう。
そばの香りは独特の「甘さ」を感じさせます。そばとは甘いものかと知る所以です。

一般に香りは嗅ぐと言いますが、そばの香りは「利く(きく)」と言う方が合っているように思います。香りを一番強く感じ取れるときは、そばを捏ねる工程の水を入れた時です。
これは、そば打ちをしないと味わえません。そこからだんだん香りは消えていきます。しかし、そば職人が求めているのは、そばを口に入れ、噛んだときに鼻に抜ける香りです。例えれば口に含んだときのわさびが「利く」とおなじ範疇ではないかと思います。日本人独特な素晴らしく繊細な感性ではないでしょうか。

 出雲そばは江戸そばと違う香りがします。そば粉のひきかたでも異なります。ひきぐるみのそばは野趣味を感じさせる香りで、穀物としての匂い、土の匂い、また、果物に似た匂いなど様々です。直接香りを楽しむには、釜揚げそばがお勧めです。もちろん、そばを食べ終えた後で余韻に浸るには、そば湯が一番です。栄養分が溶けていますし、香りも楽しめます。そば湯の香りも釜湯の上澄みと底のどろっとした部分では微妙な違いがあります。新そばの季節です。そばを食べ、そば湯を飲んでいろいろなそばの香りを楽しんでください。


萩焼と新そば

1638.jpg


新そば

新そばの季節がやってきました
pc_1194522407.jpg

新そばの季節となりました。
そば喰いにとっては心が弾む時期です。
新米が古米よりおいしいように、そばも去年収穫したそばよりも新そばがおいしいのは当然な話です。
夏から秋にかけてお店や製粉所の努力は相当なものでした。
暑さ対策で玄そばを冷蔵保存していても、製粉すると質が落ちることがあります。
また、そばがつながらなかったり、香りが無く食感が悪いそばとなったりします。
しかし、寒くなると冷蔵保存していた去年の玄そばが仮眠から醒めたようによみがえることがあるようです。
穀物としてのソバも生きている証しですね。
しかし、新そばには勝てません。どこが違うのか私なりにまとめてみます。

・ 出来たそばのつやが違い光沢がある。
・ 甘み、香りを強く感じる。
・ そばに張りがあり、食べたとき弾力(こし)を感じ、つるっとした食感である。
・ えぐみが少なく、かんだときにふわっとした味の広がりをもちそばのもつ清楚な優しさを感じさせる。
・ ねばりがあり打ちやすく、そばの出来ばえも良いため、お店の主人、女将さんが自然と朗らかになり、店の雰囲気も良くなる。
新そばの一番バッターは北海道産です。(いの一番に出回る新そば少し香りが弱いです。)
次第に地元産のそばが出回ります。最初のうちは成長の早さから平野部で収穫されたそばが多く、山間部で採れたそばはこれからが本番です。私見ですが、平野部で育ったそばよりも寒暖の差がありゆっくり成長したそばのほうが味、香りが濃い気がします。また、採れたてよりも少し寝かせた方が味深くなるようです。しかし、採れたてのそばには果物のようなピュアな味わいがあり、これを好むかたもいらっしゃいます。同じ産地でもこのような条件のちがいで味が違うところがそばの興味深いところです。

こらから寒くなるにつれて、ますますそばが旨くなります。

出雲全国そばまつり

2007神在月に出雲に集結
pc_1192563983.jpg



10月26日(金)・27日(土)・28日(日)の3日間今年も出雲文化伝承館にて「2007神在月出雲全国そばまつり」が開催されます。


全国有名産地そば処として、岩手わんこそば、東京江戸流手打ちそば、福井越前おろしそば、兵庫出石皿そば、鳥取日野川源流そば、そして、広島達磨の高橋名人が集まります。地元のそば処も多数出店します。食べ比べが出来る絶好の機会です。毎年たくさんの人でにぎわいます。「出雲そば」の良さをあらためて感じる人、他地方のそばとの違いに驚く人など様々です。是非、出雲に来て自分の舌で味わってください。

いつも行列ができ、ごった返します。そば処の風情や、ゆっくりとそばを通して風土を味わうことは正直できません。しかし、食べ比べをすることにより自分の好みのそばを発見できたり、出店されてる本場の地域を訪れたいという願望が湧いてくるはずです。賑わいに参加し、「まつり」として楽しんでください。


地元の特産品もたくさん販売しています。出雲市の平野部は今年は天候不順でそばの生産量は去年より減量となるようですが、このそばまつりから地元産の新そばを味わうことができる楽しみもあります。


そばがきぜんざい

日本ぜんざい学会とは?1511.jpg


pc_1191340807.jpg

国内で広く食べられているぜんざいは出雲が発祥の地だとして、「日本ぜんざい学会」http://www.1031-zenzai.com/が出雲に創設されました。10月31日を「1031(ゼンザイ)」の語呂合わせで「出雲ぜんざいの日」として日本記念日協会に申請し、登録が実現。「出雲ぜんざい」をブランドとして広める活動を展開しています。出雲市大社地域では旧暦の10月に神在祭が営まれ、同祭でかつて用意された「神在(じんざい)もち」が、なまって「ぜんざい」になったとの伝承があります。江戸時代の文献にも伝承を裏付ける内容が記されています。
大社のあるそば店でも協力しているお店があり、「そばがきぜんざい」はそばの風味とぜんざいの相性が良く、デザートとしても楽しめます。そばがきはこね加減と水加減が難しく、食感をよくするのが大変です。「そばがきぜんざい」は程よい甘みとそば本来の味を楽しめます。口直しに昆布の佃煮が添えてあります。お店のこころづかいを感じさせます。最後にはやはりそば湯を飲んで大満足です。「出雲そば」と「出雲ぜんざい」両方を一緒に楽しんでみてください。


隠岐そば 

隠岐地方の伝統料理です
pc_1189942691.jpg

8月31日未明、低気圧を伴う発達した前線の影響で、隠岐島は記録的な大雨に見舞われました。国道、県道など主要幹線もいたるところで土砂崩れや橋脚流出などで寸断され、隠岐島全体が災害で覆いつくされた感じです。私は早速、災害復旧のため隠岐に滞在し仕事をしていました。災害現場を回っている中で、ひっそりとそして清楚にソバの花が咲いているのを発見し、思わず写真を撮りました。農業被害も甚大なようですが、何事も無かったようにソバが生育している様子を見れて心が和みました。ソバの花を見たらやはり「隠岐そば」を食べない事には物事が始まりません。昼食に山奥のそば屋で郷土料理「隠岐そば」をいただきました。「隠岐そば」は焼きさばのだしが特徴で、ごま、ねぎ、のりがたくさん入っています。ごまとゆずの風味によりさばの生臭さが消え、そばとさばだしが絶妙に調和しています。そば粉100%の挽きぐるみであるためそばが切れやすいため丼をもってかき込む感じで食べるのがコツです。隠岐そばは昔から広く島民に根付いて隠岐を代表する食であるといえます。隠岐に観光に行かれたら是非試してみてください。

「隠岐そば」はゆでたてのそばを器に盛り、熱いさばだしをかけるのが通常ですが、あご(とびうお)のだしを用いる処もあります。冷たいそばでは地元産の芽かぶをのせて食べる「芽かぶそば」もお勧めです。
 あきれた方もいらっしゃるかも知れませんが、私は何処へいってもそばと離れることはありません。
1502.jpg
 隠岐 五箇地方 そば畑 (ひっそりと花が咲き始めていました)
1501.jpg
      芽かぶそば




そば湯の効能 

そばを食べたあとは必ずそば湯を飲みましょう
pc_1189274050.jpg


そば湯とは、そばを茹で上げたお湯のことで、これにはそばを打つときに用いられるうち粉が溶け込んでいたり、そばを茄でている時にそばから抜け落ちてしまう栄養分が十分に含まれています。そばを食べたあとに口直し(そばの後口と呼ばれる)に飲むという目的と、そば猪口に残っただしをうすめて飲む事もできます。しかし、一番重要なことはそばから溶け出た栄養分を吸収することだと思います。そば粉の澱粉は他の澱粉よりジアスターゼによる消化が非常に早く、その上、水でも十分と言われるほど粘化温度が低い、つまり水によく溶けるという性質があるからです。そのため、栄養分もたくさん釜の中に溶け出しています。
蕎麦を食べた後に、蕎麦の茹で湯を飲む風習は元禄時代に広まったと言われています。蕎麦が美味しいお店はそば湯も美味しいものです。昔は、そば湯をお客が頼んだら 蕎麦をほめられたのと同じ意味だから、「ありがとうございます」と言って、喜んで湯桶を出したそうです。
 釜の湯も底の方のややどろっとした部分と、上澄みの部分では明らかに味に違いがあります。どろっとしたそば湯はお腹にたまる感じです。上澄みの部分は香りが感じられほのかに甘みがあり上品な飲み物となります。そば好きにはどろっとしたそば湯が好まれるようです。注文したそばを食べ終えてまだもう少し食べたいけど・・・という時にはそば湯を注文したほうが栄養もとれるし、 なんせタダですからそば湯でお腹を満足させることをお勧めします。お店の人に美味しいそばでしたからそば湯を是非頂きたいといえば喜んで運んできてくれることでしょう。
 そのまま飲んでも良いし、少しだしをいれても良いでしょう。そば粉をそのままお湯で溶いてつくったそば湯より、釜湯のほうが香り高く旨みがあります。
一番客でお店に入るとそばは最高の状態で茹で上がるため、旨いそばにありつけるのですが、釜湯はまだ白湯状態ですので釜からのそば湯は望めません。そんなときは、私は少し長居して他のお客さんがある程度注文された時間を見計らってそば湯を頼みます。

出雲そば街道

出雲・石見・隠岐・伯耆国のそば屋めぐり

pc_1187983289.jpg


最近「出雲そば街道」という本が発売されています。

そば店を紹介した本はたくさんありますが、出雲、石見、隠岐、伯耆国全域をカバーしたガイド本は初めてではないかと思います。全部で89店が掲載されています。各店のそばおよびお店の特徴を記事と写真で紹介してあります。この本を読めば、この店のそばが食べたい!と思うお店がたくさん生まれることでしょう。やはり自分の舌で確かめないと評価はできません。

以前紹介した「出雲そば通」の本と異なり写真が豊富です。(料金は1,400円とやや高め?)

また、「出雲そば」「三瓶そば」「隠岐そば」「大山そば」の歴史、特徴が説明されています。

地図が略図なためこの本を片手にお店まわりとはいかない感じです。初めて行く人は詳細な地図とかカーナビが必要でしょう。もちろん私は掲載されている島根、境港、米子方面のお店はすべてまわっています。今後はこの本を参考に日野郡方面のお店を食べ歩きたいと思います。

お店の紹介本でいつも思うのですが、当然良い点、特徴のある点を紹介してあります。それゆえかえって全体的に同じニュアンスの評価となってしまい、お店の違いが感じ取れなくなってしまう気がします。かといって辛口の評価はできませんし‥‥難しいところですね。そのお店の常連さんに聞いた話などが一番的を付いていて面白いのかもしれません。

普通に人は一回の昼食は1店が済ませます。(私の調子の良いときは2~3店回ります) こんなにたくさんあるそば店を食べ歩き、自分のお気に入りのお店を探し出すのは大変です。この本の取材者はそばについては素人さんだったそうです。ですから一日で2~3店回り食べるのが苦痛だったと書いてあります。しかし、そばに興味をおもちの方なら一度に数多く回りそばの違いを楽しみたいのではないでしょうか。そこで提案ですが、ある期間限定でも構いませんから、少しずつ(割子1枚~2枚程度)いろいろなお店を食べ歩き可能な日を設定し欲しいです。「そば食べ歩き週間」と名付けてお客様にたくさん回っていただくという企画は面白いんじゃないかと思います。そば屋は大変でしょうが、そばの奥深さとそれぞれのお店の雰囲気を味わってもらえれば、よりそば好きな人を増やすことができるはずです。

この本の取材を断られたお店もたくさんあります。それはそれでお得意様に迷惑をかけたくないとか様々な店主の思いがあるからだと思います。そんなお店を探し出して食べに行くのもマニアックな方にはお勧めです。

サラダそば

夏にお勧めの新メニュー
サラダそば
pc_1186754553.jpg

冷たいそばといえば割子そば、ざるそばが一番にあげられますが、他にもやまかけそば、おろしそば、納豆そば等が定番メニューとしてあります。

最近、定番メニューの他に夏限定のそばとして夏野菜をたっぷり入れた「サラダそば」を出しているお店があります。

見るだけで美容と健康に良いと感じます。頑固なそば通の人(私のこと?)からは邪道と言われるかもしれません。私はお店ではほとんど割子そばか釜揚げそばを注文していますが、たまには変わったそばも食べてみようと思い試してみました。なんと、「サラダそば」はそばの風味はやや弱まるまるものの、そこには新しい発見がありました。そばだしは酢が入っていて韓国冷麺を思わせる味わいでした。韓国冷麺はそば粉入りの麺自体に味はなく喉こしを楽しむものです。あの硬い麺はお年寄りには喉につっかえ食べにくいもので、それにくらべればそばの味を楽しめ、さわやかな夏の涼を感じさせる「サラダそば」に満足感を覚えました。

老舗のそばやではなかなか創作メニューを次々出していくことは難しいかもしれませんが、気鋭の探究心旺盛な蕎麦屋さんでは斬新なメニューを考案しています。松江ではそば粉を用いたパスタが登場しました。若者は麺類でしたらラーメン、パスタ、うどんを食べることが多いでしょう。蕎麦屋のイメージからして若者が良く通うようには思えません。

堅苦しい蕎麦屋のしきたりに縛られることなく、新しい世界を切り開くことも必要なのでしょう。サラダそばの他にも豆腐とトッピングしたそばや、なめこ、モロヘイヤ等そばに合う食材を使ったお店があります。

特に若い女性に気軽に楽しく食べてもらう努力をすることは、そば業界の発展のためにも必要ではないかと思います。健康と美容に良いことをアピールし、美味しい地元産の出雲そばのファン層が拡大することを願っています。

夏のそば

夏こそそばを食べたくなります
pc_1185818239.jpg


大変暑くなりました。のどが渇くからといって冷たいものばかり飲んでいると食欲が落ち、体もだるくなります。こんなときにこそ香りの高い、のどこしの良いそばにありつければ申し分ないのですが、残念ながら今の季節は玄そばの状態が良くありません。

秋に収穫したそばはお米と同様に時がたてば徐々に劣化していきます。

しかし、近年は玄そばの保存に気を使い、製粉所及びそばのお店はできるだけ状態の良いそばを食べてもらおうと努力しておられます。出来る限り挽きたてのそば粉を用いたり、そば粉の含水量の変化を避けるための保存方法、管理の徹底、つなぎの質、量の加減等々、さまざまな試みがなされています。

また、夏そばといって6月~8月ぐらいに収穫するそばがあります。

「夏のそばは犬も喰わぬ」という諺があります。

この諺通り、夏に採れた蕎麦は香り、腰、色艶なども悪く貧弱な味。蕎麦製造先とそば屋さんでは「夏の蕎麦はな・・・」と品質について語るも対策も方法ないと言われていました。しかし、最近はなんとか旨い夏そばを栽培しようと各地で試みがなされています。九州で成功した事例を聞きました。秋にせっかく収穫しようとしているときに台風により吹き飛んでしまうことが良くあるのに比べ夏そばは雨の少ない地方では案外成功する可能性が高いのでしょう。秋そばに比べるとやや香り、味深さに劣るもものの、この季節には劣化した秋そばよりも上品な味わいが楽しめるのかも知れません。

また、南半球で栽培すれば季節が反対だから今の季節においしいそばを食べることができるという発想で、日本のそば産地の風土に良く似たオーストラリア タスマニア地方にてそばの栽培に成功しています。ここまでのこだわりはそば好きの恐ろしい欲求、熱意があってこそです。

この季節でもおいしいそばを提供してくれるお店は本物のお店です。この話を頭に浮かべてそば店を食べ歩いてみてください。お店の評価がつけやすくなる店主にとってはつらい季節です。

三瓶そば

sannbe
今、注目です。

石見銀山が世界遺産登録され、観光客がたくさん大田市を訪れています。魅力ある郷土の食として推奨するのは、もちろん「三瓶そば」です。

三瓶そばは昔から盛んに作られていて、三瓶の在来種には強い香りと上品な甘みがあります。三瓶地方では、明治時代は盛んにそばを作り食べていたようです。昭和の後半からは生産者が高齢化し、食の多様化もあって減少していきました。

しかし、近年そば好きな仲間が集まってそばの栽培に力を注いでおられます。

 三瓶そばは、だしの昧で食べるというより、そばの風味自体を楽しむため、地元では釜揚げにして湯気の立つ熱いそばを食べるのを好む人が多いと聞きました。寒い土地柄も関係しているのでしょう。出雲国の隣国であるせいか、出雲の影響を受けて割子で食べるお店、家庭もあります。根っからのそば好きは一年中釜揚げを食べますが、暑いときにはやはり冷たいそばを食べたくなるものです。

出雲そばとの違いを出そうと、ざるでお客様に提供するお店も現れました。
  そばの薬味として、わさび、かつお節、のり、ねぎが用いられています。その中でも三瓶の清流で育ったわさびは格別な薬味でしょう。但し、わさびはそばだしにいれるよりも口直しとしてなめながらそばをたべるとそばの風味を損なわずそばを引き立てて、より楽しめるような気がします。
 三瓶そばは、三瓶山麓で採れたそば粉を使うだけの段階を脱して、できるだけ多くの人に食べてもらいたいと意欲的にそば料理に取り組む努力をしておられます。石見銀山周辺はもとより三瓶山周辺にもそば店があります。今後の新店舗の予定もあり、ますます勢いが出てきた三瓶そばに注目です。

こころづかい

pc_1184077428.jpg
大切にしたい!!

あるお店で釜揚げそばと割子そばを両方注文しました。
店員さんに「最初はどちらから召し上がられますか?」
と問われました。寒い日でしたので釜揚げを先にとお願いすると、
まもなくきれいに盛り付けられた釜揚げそばが届きました。
やや太めの麺でかおり、味を楽しみ心も体も温かくなりました。
やがて、ちょうど食べ終えたころに割子そばを出してくださいました。
ぐっと水を飲み口の中をきれいにしてから早速いただきました。こんどはやや細めの麺でした。釜揚げで十分そばの味を堪能した私にとって、こんどは冷たくのど越しの良い食感が味わえるそばはとてもうれしいものでした。店内には他にもお客さんがたくさんおられたのにもかかわらず、一度に茹でないでお客の食べる頃合を見ながら最高な状態でそばを提供する。店主のそばへの思いとお客にたいする心づかいがひしひしと伝わってきました。

そば通にいわせればあたりまえのことかも知れません。しかし、このような心づかいをしてもらえる本物のそば店をいつまでも大切にし、応援したいものです。

1144.jpg

おろしそば

pc_1183054544.jpg


健康食の最高峰です。

梅雨の季節です。だんだんそばの香りが少なくなってきました。これから夏にかけて蕎麦屋にとってはつらい時期です。お客様の食欲も夏バテなどで減退していくことでしょう。
しかし、こんな時期こそ、栄養のバランスが良いそばをたべることをお勧めします。  おそばには多くのビタミン類が含まれていて、特にビタミンB群が豊富です。心臓病予防の効果、食欲不振の解消効果があると言われているビタミンBlがお米の4倍、小麦粉の2倍、高血圧、動脈硬化の予防効果、皮膚や粘膜を健康に保つのに欠くことのできないビタミンB2でもお米の4倍含まれています。また、これもビタミンの一種であるコリンを含んでおり、これは肝臓を保護し強化する効果があると言われています。但し、ビタミン類の中でビタミンAとビタミンCを含んでいません。ですから薬味としてねぎや大根おろしをいれれば栄養バランスの完璧な食べ物となります。
そばに含まれるルチンは高血圧、動脈硬化の予防効果があり、ビタミンCと一緒になるとより効果があることから、おろしそばはぜひおすすめしたい召し上がり方です.冷たいおそばに、大根をおろしてたっぷりかければ美容と健康に申し分ありません。繊維質も豊富で便秘症の解消にもなり、消化はよく、スリムになりたいなら無理なダイエットよりそばを食べるに限ります。


健康食としていいとこだらけですので若い女性の方も(そうでない女性の方も)たくさん召し上がってください。

B級グルメ

pc_1182253979.jpg
出雲そばはA級それともB級?

今、B級グルメがブームです。

B級グルメとは、安くて旨くて地元の人に愛されている地域の名物料理や郷土料理のことを言います。「B級」というとA級と比較して劣っていると誤解される人がいますが、身近にあって誰にでも親しまれる存在と解釈してほしいところです。つまり、価格的な意味合いが強く、決して味がB級という意味ではありません。まさに「安くて旨い!」という庶民の味といえます。また、B級グルメを通じて、地域の文化や歴史、暮らしに触れることができるという点も特徴です。このB級ご当地グルメでまち起こしをしようという動きが活発になっており、食で地域ブランドの確立を目指して活動している団体・グループも着実に増えています。

6月9日に松江市タウンプラザしまねで開催された記念フォーラム「地域と楽しく食の仕掛け人」で「出雲そばりえ」の認定制度を創設し、地域おこし、特色のあるまちづくりにつなげる活動の説明がありました。同じように身近な食をテーマとして地域おこしを行なっておられる佐世保バーガー(佐世保コンベンション協会)と、カキオコ(日生カキお好み焼き研究会)の紹介もありました。

これはB級グルメでまちおこしのまさに成功事例でしょう。その中で私がそば打ちをし、皆さんに「出雲そば」を食べていただだきました。会場でぶっつけ本番でしたので自信はあまりありませんでしたが、皆さんに気に入っていただけたようでした。

また、地元で愛され続ける「ご当地B級グルメ」が全国から一堂に会して王座を決める第2回「B-1グランプリ」という催しが、6月始めに静岡県富士宮市でありました。2日間で25万人が集まり大盛況だったようです。来場者による投票の結果は二年連続で「富士宮やきそば」がグランプリを獲得しました。やはりB級グルメは地元に愛されるのが一番だという証しでしょう。
「出雲そば」はA級とB級グルメの中間的な位置づけではないでしょうか。地域の文化、歴史を感じさせ、気取らず、ひたむきに精進しているお店が山陰にはたくさんあります。A級グルメといわれている高級料亭、レストランにはない、清楚で奥ゆかしい魅力が「出雲そば」にはあると思います。

江戸そばと出雲そば

pc_1179426541.jpg
どちらがお好み?


三月に東京(江戸)に行き江戸そばを堪能してきました。
名店と言われている老舗や最近開店した評判のお店を食べ歩き、江戸そば文化の洗練された技術を感じ取りました。
老舗の格調高い雰囲気の中で、お酒を飲みそばをたぐると自然と落ち着き和んだ気分になります。江戸そばのもつ、ほのかに感じる香り、甘みは日本の食文化の美とされる「奥ゆかしさ」に通じるものがあるといえるのではないでしょうか。
少しずつそばをたぐり、そば猪口のつゆにちょっとつけ、一気にそばをすする。
「そばはのどで味わう」といわれているような粋な食べ方に自然とたどりつきます。
名店は素材を厳選しているためか、一人前のそばの量がとても少なく、そばでお腹いっぱいにすると勘定が怖くなります。かるくお酒を飲み、そばをたぐり、仕上げに蕎麦湯をいただきさりげなく店を後にする。そんな粋なお客になりすましたおかげでで一晩に4店回りました。それでようやくお腹が落ち着いたようです。
そば喰いとしては美味しいそばならいくらでも入ります。  

東京のそば店を回って気がついた点は、意外にも田舎そばがブームとなっていることです。
出雲そばは田舎そばです。
東京で提供される田舎そばは太めのざるそばが多く、もさもさと噛んで食べる感じです。
なかには荒臼挽きの粉を物凄く細く打ち、技ありのそばを提供しているお店もありました。
しかし、田舎そばはやはり田舎の空気、風を感じるところで食べるのが一番だと思います。
この地方の風土にマッチしたそばとして「出雲そば」の存在はやはり偉大であると感じました。

出雲そばは値段も手ごろで、割り子そばは何枚でも注文可能です。思う存分、豪快にお腹いっぱい召し上がってください。。

だしのいろいろ

pc_1178095086.jpg

出雲そばのだしを紹介します

出雲地方ではそばつゆのことを「だし」と呼ぶことが多いです。「だし」はお店により様々な作り方でそばを引き立てる役割をしています。あくまで「だし」は脇役ですのであまり香りが強く、味の濃いものではそばの香りが味わえなくなります。だしを取る材料は乾物が多く、かつお、煮干し、昆布、椎茸の戻し汁などがあり、お店によって異なります。それと、「かえし」と呼ばれる醤油、みりん、砂糖を合わせたものと混ぜ合わせて作ります。かえしを寝かせてから用いるお店やだしを冷蔵庫で何日間か寝かせて提供されるお店など、だしつくりにはお店独自の秘伝があり、易々とマスター出来るものではありません。季節毎に配合をかえることもあります。そのお店のそばに適した「だし」が一番です。

大社地方は、どうめ(うるめいわし)を用いるお店が多く、独特の甘い香りが何ともいえません。あご(とびうお)でとるお店もありますが大変高価です。

そばの太さ、ぼそぼそ感によりだしの濃さの相性があると思います。

松江地方は辛目のだしが多く、大社地方は薄め、奥出雲地方はその中間ぐらいの傾向ではないかと思います。大社地方は昔から出前をとることが多く、冠婚葬祭でお客さんをもてなすときに割子そばをよく注文します。出前をしたそばは時間が経ってから食べるので少し乾燥しているため、薄めのだしをかけてほぐしてたべるとこれもまたおつなそばとなります。この風習から薄すめのだしが好まれたのではないかと推測します。

良質なだしの材料を少量でも個人に分けてもらえる昔懐かしい「出雲の乾物屋」があります。そば屋と乾物屋の関係は深く、私も良く利用しています。(写真はうるめの煮干し)皆さんも本物のだしつくりに挑戦してみては如何でしょうか?だしの詳しいことなら http://www.e-dashi.com/

おいしいそばの食べ方

そばを食べるコツを教えます

そばは「ひきたて」「打ちたて」「茹でたて」を食べるのが一番です。そば屋さんで美味しいそばを食べるにはお昼前のお客さんの少ないときがベストでしょう。まだ釜のお湯も新しく、茹でるのに最も状態が良いからです。混雑した後は釜の湯がドロドロ状態であることが多く、うまく茹で上がりません。長い行列で待ってまで食べることはどうかと思います。出雲にはたくさんレベルの高いお店がありますので大変混雑している場合は他のお店に移動することも一考でしょう。名店は釜湯の状況をいつも管理してお客様に最良の茹で加減となるよう努力しておられます。一番のポイントは、時間帯を考えて、ゆっくり味わえる時間に行くことです。何故こんなに時間にこだわるかといえば、そばは、打ってから時間が経つとめきめきと香りの度合い、食感が変わるからです。そば打ち教室等で自分で打ち、茹でたそばがたとえ不揃いでも美味しく感じる理由の一つでしょう。

 また、女性の方に見受けられますが、音を立てて食べるのを嫌がってスパゲッティのように麺をまるめて口の中にいれたり、何度も押し込んで食べる様子を見ることがあります。これはかえって奇妙な食べ方であるといえます。そばはやはり、「ズズーッ」と音を立てて食べたほうが粋な食べ方といえます。食べる音を聞いてそば好きの程度が解るといいます。個人差があり、口の大きさにもよりますが、少しづつたぐって一気に啜りこみましょう。


おいしい蕎麦の食べ方

春の山菜そば

pc_1176981416.jpg


いまイチオシの季節です

出雲そばについて説明したときにこんなフレーズを書きました。「 春の山菜にほのかな苦味を感じるように、出雲そばにも独特なえぐみが味わえます。」


今まさに、春の山菜が味わえる絶好の季節です。昨秋に収穫した玄そばもまだ品質は落ちてはいません。そば店でこの両方を味わうことができればこんなに幸せなことはありません。出雲のあるお店で、何とうつわのなかで、春の山菜とそばが絶妙にマッチしている「山菜そば」を見つけました。こごみの天ぷらと、わらび、たけのこ、せりの炊いたもの。また、よくタラの芽やタラの葉を天ぷらにされます。そばの香りを邪魔することなくそれぞれの味、香りを楽しむことができました。口直しにわさびの葉の醤油漬けがあれば、思わずお酒が欲しくなります。


山菜はお店のおばさんの住まい周辺(人里離れた山のなか)に自生しているものを朝取ってきて料理しておられます。田舎に住んでいることをありがたく思う季節です。また、秋にはきのこが豊富に採れるそうでそばときのこも自然に調和します。季節毎にそばと旬野菜を合わせていただく贅沢がこの地方にはあります。こんな出雲そばの楽しみ方も是非味わっていただきたいと思います。

十割そばとニ八そば

pc_1174932406.gif

あなたの好みはどっち?

つなぎ(小麦粉)をいれずにそば粉だけで打ったそばを生粉(きこ)打ちといいます。初心者でも何回かそば打ちをしていくうちに挑戦してみたい気持ちになるものです。良質な挽きたてのそば粉でしたら訓練すれば何とかつながります。そばの味はそば粉の割合が多いほど良く、生粉打ちが最も良いそばであると思われている人が多いようです。最近、こちらの地方でも十割そばを出すお店が多くなりました。しかし、十割そばが打てることが目的、自慢となり肝心な味、食感はどうかが二の次になっているお店があるような気がします。十割で、そば本来の味を堪能しようと思えば喉こしよりも、粗挽きの少し太めのそばを噛んで食べるのが生粉打ちの良い食べ方だと思います。

二八そばは二割のつなぎを入れるということで、口当たり、食感を良くするもので、そばの風味がけっして劣ることはありません。めん好きな方はこちらのほうがオススメです。挽きぐるみで甘皮ほか表層部分を含んで色黒くなっている出雲そばは、風味が濃いのでそば通に好まれますが、つなぎなしではまとまりにくいです。店主は季節あるいはその日の粉の状態によりつなぎの量を調整され、最良そばになるよう努力されています。

お酒にたとえるなら、米と麹だけで造り上げた濃い味の大吟醸酒が良いのか、醸造用アルコールを上手く添加し端麗な口当たりの良い酒に変身したお酒を良しとするのかは好みであることに似ていると思います。




そば好きとめん好き

pc_1174332663.jpg


あなたの「そば度」は?(そばに対する好み度)

一般にそばの好みを話す上で、「そば好き」と「めん好き」とに分けると解りやすいと思います。出雲地方の様な田舎そばは「そば好き」が好み、「めん好き」の人は江戸そばの様な弾力のある、のど越しの良いものを好みとする傾向が強いと思います。出雲のお店でも様々でつるつる食べやすいそばを提供するところもあり、食べ歩きするとその違いに驚かれる事でしょう。地域による違いについてはまた、お話します。

写真は玄そば=丸抜きしたそばの実+殻、甘皮とに分けたものです。この一番右の殻、甘皮の入り具合で出雲そば独特の風味が生まれます。「釜揚げそば」はそば好きにはたまらない食べ方です。夏でも汗を掻きながらそばを啜っています。そばにぬめりがあるため「めん好き」には敬遠されがちですが自分の「そば度」を確かめるに「釜揚げそば」を一度食べてみてください。 私は「そば好き」であり「めん好き」でもあります。欲張りです。よく、釜揚げと割子そばを両方注文します。行きつけのお店では寒い季節は釜揚げを食べ終わった後で割子そばをもってきてくれます。こだわりのお店では最初に釜揚げを出すと釜に残ったそばで割子を作ったと思われては嫌だからと順番を逆にしてお客に出すところもあります。どちらが先でも構わないと思いますが、違うそばを食べる前にはお茶や水で口の中をきれいにするといつまでも新鮮な味が楽しめます。

出雲そばとは

出雲そばとは
山陰で本場の「出雲そば」を食べてください。
「出雲そば」という名前は全国的に有名ですが、実際にどんなものかご存知でしょうか?
簡単に言えば製粉の仕方と食べ方に特徴があるといえます。
出雲そばは「ひきぐるみ」といって玄ソバの殻ごと石臼や製粉機によって製粉されたそば粉を用います。そのため色が濃く、少しぼそぼそとした食感になります。
しかし、香り・味は他の地方の蕎麦に比べ強く感じます。
春の山菜にほのかな苦味を感じるように、出雲そばにも独特なえぐみ(苦味)が味わえます。

また、出雲地方独特の食べ方として丸い漆器に盛られた「割子そば」があり、だしを直接そばにかけ絡めて食べます。出雲そばにはこの食べ方は最適でそばとだしが絶妙に調和して、ぼそぼそ感を消して食べやすくなります。

もうひとつ忘れてはいけないのが、茹でたそばを直接どんぶりに釜湯と一緒に入れる「釜揚げそば」です。
釜揚げそばもこのどんぶりに直接だしをかけて食べます。そばはぬめりをとってないため喉越しはあまり良くないのですが、そばの味、香りが直接伝わってくるためそば好きには堪えられない食べ方です。

山陰にお寄りの際は、是非両方を味わってみてください。

冊子「出雲そば通」

冊子「出雲そば通」
出雲地方のそば店、出雲そばのコラムが満載です。

私の知り合いで広島から週末、月に一度は出雲そばを食べに来られる人がいます。素朴で味わい深い出雲そばの魅力にどっぷりとはまったのでしょう。彼にプレゼントした「出雲そば通」という冊子を片手に、出雲そばの食べ歩きが趣味となったようです。この冊子は『NPO法人まつえ・まちづくり塾』の呼びかけで集まった出雲そば通団(私も団員です)により作成されました。松江、出雲、奥出雲地方のお店64店舗を紹介しています。私はこのほとんどを回っています。私の好きなお店を紹介したいのですが、そばは好みが十人十色ですので控えさせていただき、良いお店を見つけるためのコツだけ教えます。

1. お客に対して思いやりが感じられるお店
2. そばを食べる空間としての落ち着きがあるお店
3. 出雲の風土と調和した店構えのお店
4. 黙っていてもあとでそば湯を入れてくれるお店

出雲そばとひとくくりにいっても各お店のそばの味、雰囲気などは様々です。自分に合ったそば店を見つけたときの喜びはひとしおです。そばを通じてお店の人、お客さん同士との出会いがそこにできます。

「出雲そば通」の冊子(一冊300円)は出雲地方の書店、そば店にあります。出雲そばの歴史、特徴等のコラムも満載です。
興味のあるかたは購入され出雲そばの食べ歩きに挑戦してみてください。
リンク
QRコード
QR