立春のそば
そばだし

出雲地方ではそばつゆのことを「だし」と呼ぶことが多いです。「だし」はお店により様々な作り方でそばを引き立てる役割をしています。だしを取る材料は乾物が多く、かつお、煮干し、昆布、椎茸の戻し汁などがあり、お店によって異なります。それと、「かえし」と呼ばれる醤油、みりん、砂糖を合わせたものと混ぜ合わせて作ります。かえしを寝かせてから用いるお店やだしを冷蔵庫で何日間か寝かせて提供されるお店など、だしつくりにはお店独自の秘伝があり、易々とマスター出来るものではありません。そのお店のそばとの相性を考えた「だし」が一番です。
大社地方は、どうめ(うるめいわし)を用いるお店が多く、独特の甘い香りが何ともいえません。また、大社地方は昔から出前をとることが多く、冠婚葬祭でお客さんをもてなすときに割子そばをよく注文します。出前をしたそばは時間が経ってから食べるので乾燥しているため、薄めのだしをかけてほぐしてたべるためではないかと推測します。

どうめ丸干し

どうめ丸干しの苦味がでないように内臓や頭をとり、干してから使用すると臭みも無く、甘い上品な味がでます。お味噌汁のだしにも合います。一晩水出しして、あまり煮詰めないようにするのがコツです。
薬膳と蕎麦のコース
創作メニューのそば
釜揚げと割子そば

常日頃から、そば屋に通い、割子と釜揚げの両方を食べています。
大体は、釜揚げを先にいただき、そのあとに割子そばを1~2枚。
釜揚げ小盛り+割子2枚のセットメニューを造っていただいたお店が多くあります。
そのセットメニュー名を「そばりえセット」として提供されているお店もあります。
お客様には
「どちらを先に?」と尋ねられるようになります。
出雲市内で久々に行ったそば店で、かけそばと割子そばを注文しました。
なんと同時にもってこられました。
以前は、かけを食べた頃合いをみて、割子が届いていたのですが。
正直、どちらから食べれば良いか、悩みます。
かけから食べると、割子そばはのびてしまいますし、
割子から食べると、かけそばのそばの食感が悪くなります。
たくさんのお客さんで忙しい時なら、諦めますが、今回は午後2時前の空いている時間帯でした。
お客様に茹でたての最高の状態で食べていただきたいという、おもてなしの心があればと感じました。
釜揚げ風月見そば

「釜揚げ風 月見そば」
寒さが増してきました。この季節は新そばで釜揚げをいただきたいものです。私の好みで、そこに生卵をのせた、月見そばを良くいただきます。
月見そばの卵の黄身を満月にみたてると、白身は月にかかる雲といえるでしょう。丼の中に風情があり、季節を感じることができます。
私なりの食べ方を紹介します。まずは丼の中でお月見をし、その後おもむろにそばを卵の上に覆い丼の下のほうに入れます。出雲地方では、釜湯とそばを直接器に盛るため、そばを水でしめて温め直すかけそば風よりも熱々です。卵が加温されるため、白身が程々にかたまり、黄身もとろけるような濃い状態になります(それまで我慢!)。よって、最初は釜揚げそばとして食べます。頃合いを見て黄身を潰してそばに絡めます。たとえるなら、焼きとりつくね風または、すき焼きのように黄身を絡めるような状態とでもいいましょうか。新鮮な卵なら丼の下に移動させても崩れることはなく、ぷりぷりの黄身が出現してきます。或る程度固まれば、だしと同化することなく、卵とだしの味を存分に味わえます。「釜揚げそば」と「卵の味との共演の月見そば」を一品で二通り楽しむことが出来るのです。
白身の食感が嫌いなかたもこの方法をお試しください。









三瓶三昧
コロナ禍の神門通り
三瓶そば
出雲おろち大根
出雲おろち大根 一見妙な形をしていますが、辛みがあり水分が少ないので
そばの薬味として適した大根です。
おろし大根にすると10~20分ぐらいは辛みを維持できます。
薬味として使用する量が僅かなのでどうしても余ってしまいがちです。
そこで、他の料理方法でたくさん食べて美味しいレシピを紹介します。
出雲おろち大根 レシピ:
「豚肉とおろち大根の炒め物」

材料
出雲おろち大根
豚肉(コマ切れ肉)
青ネギ
そばつゆ
ごま油、黒七味(または黒胡椒、一味でも可)
1.おろち大根をピーラーで食べやすい大きさにスライスします。(このスライスした大根は鍋にいれても美味しいです。)
2.フライパンにごま油をひき、豚肉を炒めます。
3.スライスしたおろち大根を入れて炒めます。
4.火が通ったら、そばつゆを入れます。(味みで量は調節してください)
5.盛り付けて、青ネギをちらし、七味または黒胡椒をふります。

※写真はしめじ入りです。
簡単で、しゃきっとした歯ごたえのおろち大根が味わえます。
そばの薬味として適した大根です。
おろし大根にすると10~20分ぐらいは辛みを維持できます。
薬味として使用する量が僅かなのでどうしても余ってしまいがちです。
そこで、他の料理方法でたくさん食べて美味しいレシピを紹介します。
出雲おろち大根 レシピ:
「豚肉とおろち大根の炒め物」

材料
出雲おろち大根
豚肉(コマ切れ肉)
青ネギ
そばつゆ
ごま油、黒七味(または黒胡椒、一味でも可)
1.おろち大根をピーラーで食べやすい大きさにスライスします。(このスライスした大根は鍋にいれても美味しいです。)
2.フライパンにごま油をひき、豚肉を炒めます。
3.スライスしたおろち大根を入れて炒めます。
4.火が通ったら、そばつゆを入れます。(味みで量は調節してください)
5.盛り付けて、青ネギをちらし、七味または黒胡椒をふります。

※写真はしめじ入りです。
簡単で、しゃきっとした歯ごたえのおろち大根が味わえます。
コロナ対策??
鰻とそば

夏は鰻を食べてエネルギー充填といきたいところです。
そば屋で鰻を出すお店はそうありません。
うな重セット ¥1600
として夏限定メニューで提供されているお店が出雲大社 神門通りにあります。
コロナの関係でめっきりお客さんが減っていますが、
この余裕ができた時間を逆に利用し、お客様に満足していただくために新メニューを
研究されました。
また、神西湖産の蜆の味噌汁と
鱧の天ぷら+自家製玉子焼き+野焼き付きの大ボリュームです。
お腹一杯になり大満足しました。
そばもこの季節にしては香りが強いそばでしたので、
店長に聴いたところ、惜しげもなく、「出雲の舞」を自家製粉しているとのことでした。
今後、季節ごとに限定メニューをお出しして、満足してもらおうと
さらなる研鑽をされるようです。
お客が減って、嗚呼だめだと愚痴を言ってばかりのお店とは違い、
生き残れるお店だと思いました。
神門通りに、 コロナ前の賑わいが戻る日が早期にくることを
切に願っています。

釜揚げそばの不思議

ムシムシした湿度の高い季節は、そば打ちには最も苦労させられます。
そんな中でも、やはりそば好きには釜揚げそばは欠かせないものです。
各店舗を食べ歩いて気が付いたことがあります。
出雲地方の伝統的な丸延し、手ごま切りで作られた釜揚げそばと、江戸流の四つ出し+こま板を用いて作られた釜揚げそば、機械製麺の釜揚げそばでは微妙な食感が異なるのではないかと。同じ手打ちそばでも違いがあるのではないかと思い始めてきました。
そば切りのときの微妙な圧力が影響しているのか、手ごまのそばは切り口がしなやかになるのか、釜湯と旨くなじんで滋味深くなる気がしてきました。あるお店で、二人の職人さんの打ち方が違うことで両方を食してみて、確信を得た気がします。
釜揚げそばの美味しさの秘訣に関しては、釜揚げそばの奥深さ故に驚かされることがまだまだたくさんあります。
このような思いは少しマニアックなことでしょうが、皆さんどう思われますか。お店を回って試してみてもらえると嬉しく思います。

※手ごま切り

こま板使用
コロナ対応
辛み大根そば
移転オープン
大社の名店 閉店

大社の島根歴史博物館前で営まれていました、創業53年のお店が今月末をもって閉店となりました。
私が社会人になってから、30数年間通い続けてきたお店です。
跡継ぎがおられなく、近年、ご夫婦共、体力的に限界を感じてはおられました。
「大社そば」の特徴をいつも醸し出している、味わい深く、食べやすい出雲そばです。
定番の割子そば、釜揚げそば どちらも捨てがたく、常に両方注文していました。
そば粉は厳選されていて、香りを重視し、女将さんの作られるだしとの相性が群を抜いていました。
また、ご夫婦、従業員さんたちは、いつも温かくお客さんを迎えられ、ほのぼのとした気持ちに浸ることが
できました。
「閉店」という言葉はいまだに信じられませんが、今月末までですので是非 訪れてください。



箸

そばは、麺類の中で最も、麺自体の香りを重要視している料理だと思います。
そばを最初にたぐり、鼻から直接嗅ぐ甘い香り。食べ始めのもっとも期待感が湧いてきて、緊張感も抱く一瞬です。
しかし、その一瞬に、むげにも期待が崩れ落ちることがあります。
その原因はそばに添えてある竹箸です。
竹箸は、大変きつい臭いを発します。鼻がもげるほどのものもあります。
このような臭いを発する箸を用いれば、そばのほのかな香りを楽しむどころではありません。
何故、このような箸を平然と使っているのか?
・通常の箸は、森林伐採で環境破壊につながるというニュースが流れたことがある。
・安物の箸は上手く割れない。
・竹のほうがしっかりしていて使いやすい。見た目が上品である。
等の理由があることでしょう。
しかし、そばを愛するものにとって、香りを楽しむことを阻害する要因を
あえて加えているのは、全くと言っていいほど、配慮が無いと言わざるを得ません。

荒臼碾きそば

通常の石臼碾きより大きな粒子に仕上げて碾かれたそソバ粉は
「荒臼」といってつながりにくい性質のソバ粉です。
しかし、食感はぷりぷりしていて、噛みしめると
旨味が滲んできます。近年、そば好きには好まれています。
碾きぐるみでも、丸抜き(江戸前風)のように色白っぽくなります。
出雲そばとして食すなら、機械製粉(ロール製粉)のソバ粉で
しゃきしゃき感があるそばも喜ばれていますので
好みの幅の広がりが出来たといえるでしょう。
いろいろなお店を食べ歩き、その違いを楽しんでください。

荒臼碾きそばは、個人的には太めのほうがダイレクトに風味が広がるので好みですが、あえて細めに打つお店もあります。切れないそばに仕上げるには、繊細で、高度な技術を必要とします。

釜揚げそばの湯
家庭でできるそばつゆの作り方

ご家庭で一からそばだしを作るのは大変です。市販の麺つゆは手作りとはやはり違い、美味しくないとの意見を多く聞きます。そば打ち教室で、参加者の主婦のかたから、簡単で美味しいそばだしの作り方を教えてくださいとよく聞かれますので、私の経験からレシピを紹介します。
用意するもの:
市販の麺つゆ(2倍濃縮以上)
鰹パック(市販)
濃口醤油又はたまり醤油 (ご家庭で使用されているもの)
味醂又は味醂風調味料、酒 ( 〃 )
市販の麺つゆを規定の濃度より多めに希釈してください。2倍濃縮なら麺つゆ100ccに対して150cc程度の水を加える。(4倍濃縮タイプなら50ccに対して200cc程度の水)そこへ醤油、味醂、酒を加え、煮なおします。どの程度醤油、味醂を入れるかは、味見をしながら少しずつ入れて調節し好みの濃さにしてください。仕上げに鰹節パック1袋をさっと入れて1分ぐらい弱火で煮だします。鰹をこして出来上がりです。保存料等の薬品臭さが消えて、格段に美味しくなります。
お試しください。

玄そばは生きている

新そばが出回る季節になりました。今年のような猛暑では、昨年収穫された玄そばは、さすがに状態が悪くなり、品質が落ちていました。近年、玄そばは、温度管理された倉庫等で保管されていて、「夏そばは犬も喰わぬ。」という劣品質にはならなくなりましたが、製粉時の気温、湿度にどうしても影響されやすいものです。
玄そばはソバの種子です。夏の暑さにじっと耐えた玄そばは、秋になると不思議に風味が増してきます。粘りもでてきたため、打ちやすくもなりました。玄そばは生きているのです。生命力あふれる種子なので、エネルギーを蓄えているのでしょう。外皮を剥いてみると緑色が戻っています。新そばも出回っていますが、昨年収穫したそばも味深くなっています。
お酒で言えば、「新酒」と「ひやおろし」の関係に似ています。フレッシュなそばが良いか、味深いそばを求めるのか好みが分かれるところです。
丸抜きした玄そば

冷かけそば
酒肴としてのそば切り
そば前といえば
酒肴に板わさ、そばみそ、天抜き、そばがき、卵焼き等で酒を飲むのが定番で、
最後の〆に そばをたぐるのが粋とされています。
しかし、出雲市内のあるそば会で、
最初からそばでお酒を楽しみたいという方のリクエストに応えて
そばきりを肴として出してみました。
あえて太めに切れば、
噛みしめていく程、そばとお酒の相性の良さが解ります。
十分酒肴として楽しめます。
通常のそば切りとは違い、太いため少しずつ
噛みしめることになります。辛めのだしが似合います。
辛み大根があればさらに良いでしょう。
いろいろな太さで試してみると面白いと思います。
しかし、最後の〆にはやはりつるっと食べたい欲求に駆られます。
今回は新品種「出雲の舞」を使用しました。この季節としては驚く程
艶やかで、風味のあるそばに仕上がりました。

酒肴に板わさ、そばみそ、天抜き、そばがき、卵焼き等で酒を飲むのが定番で、
最後の〆に そばをたぐるのが粋とされています。
しかし、出雲市内のあるそば会で、
最初からそばでお酒を楽しみたいという方のリクエストに応えて
そばきりを肴として出してみました。

あえて太めに切れば、
噛みしめていく程、そばとお酒の相性の良さが解ります。
十分酒肴として楽しめます。
通常のそば切りとは違い、太いため少しずつ
噛みしめることになります。辛めのだしが似合います。
辛み大根があればさらに良いでしょう。
いろいろな太さで試してみると面白いと思います。
しかし、最後の〆にはやはりつるっと食べたい欲求に駆られます。
今回は新品種「出雲の舞」を使用しました。この季節としては驚く程
艶やかで、風味のあるそばに仕上がりました。

そばの茹で方
そばの茹で方

(切れ切れになったそば)
生徒さんを募り、そば打ち教室を重ねていくうちに、気付いたことがあります。
そばの茹で方が解らず、少量のお湯に、一度にこれでもかと言わんばかりの
量のそばを投入し、いわば煮しめ状態にされている方が多いことです。
特に、主婦の方に多く、節約観念があるのは良いことですが、
せっかく手打ちしたそばが切れ切れになってしまいます。
下記の写真のように、ご家庭にある一番大きい鍋で、たっぷりのお湯を沸かしてください。

一人前(一つまみ)分を強火で沸騰した状態になってからいれます。

だんだん上に上がってきてそばが躍るようになります。
こぼれそうになれば吹きこぼれない程度に火を弱めます。
さし水はNG!! お湯の温度が下がるとそばは切れます。

浮き上がってから、用意しているボウル(水入り)にざるですくって、
溜め水(ボウル)に移し、流水で泳がせながら、やさしく、しっかり洗い、ぬめりをとります。

ザルにに移してしっかり水切りすれば
艶のある、弾力のあるそばに仕上がります。
市販の製麺も同様です。
これだけ神経を使う、繊細なものです。

(切れ切れになったそば)
生徒さんを募り、そば打ち教室を重ねていくうちに、気付いたことがあります。
そばの茹で方が解らず、少量のお湯に、一度にこれでもかと言わんばかりの
量のそばを投入し、いわば煮しめ状態にされている方が多いことです。
特に、主婦の方に多く、節約観念があるのは良いことですが、
せっかく手打ちしたそばが切れ切れになってしまいます。
下記の写真のように、ご家庭にある一番大きい鍋で、たっぷりのお湯を沸かしてください。

一人前(一つまみ)分を強火で沸騰した状態になってからいれます。

だんだん上に上がってきてそばが躍るようになります。
こぼれそうになれば吹きこぼれない程度に火を弱めます。
さし水はNG!! お湯の温度が下がるとそばは切れます。

浮き上がってから、用意しているボウル(水入り)にざるですくって、
溜め水(ボウル)に移し、流水で泳がせながら、やさしく、しっかり洗い、ぬめりをとります。

ザルにに移してしっかり水切りすれば
艶のある、弾力のあるそばに仕上がります。
市販の製麺も同様です。
これだけ神経を使う、繊細なものです。
東京で出雲そば

東京有楽町にある、奥出雲町とのコラボレーションにより奥出雲の魅力を伝える居酒屋を訪れました。「奥出雲蕎麦」「仁多もち」、そして奥出雲の地酒。まだ知られていない食材、料理、お酒を神話の地から東京に広めたいとの思いから昨年3月にオープンしたお店です。
なんと、奥出雲の人気店から手打ちそばをクール便で直送されています。奥出雲のお店の大将とは親しくしているので、東京に行った際は味を確かめてほしいと言われていました。打ち立てではないので、あまり期待は出来ないかなあと不安ながら注文しましたが、お店のそばと遜色なく、とても驚きました。だしも指導されているので、同じ味でした。東京で数少ない本物の「出雲そば」を提供するお店が出来たことを嬉しく思います。また、地酒がたくさん揃っていて、「そば前」を楽しむことが出来ます。出雲地方は車社会なので、なかなか味わえない贅沢な空間と時間が東京には存在します。

薬味のネギは白ネギを使用(出雲では青ネギ)

そば前


そば粉のブレンド

そば粉のブレンド
そば粉は生産地、品種毎に味わいが異なります。
昨年良かったから今年も良いとは限りません。
天候が大きく左右するからでしょう。
納得のいくそばの風味や食感をだすために私はよくブレンドします。
甘さがあるけど香りが足らないとか、味が淡白なそば粉には
それを補うそば粉をブレンドするとバランスが良くなることがあります。
出雲そばのように挽きぐるみだと、えぐみが強いとかもさもさしすぎるときなどは
粘りのあるそば粉を配合すると素晴らしい食感が生まれます。
また、製粉の仕方でそば粉の粗さも様々に仕上がります。
細かい粒子のそば粉は、打ちやすく、しゃきっとしたそばに仕上がります。
噛みしめて食べたいそばは粗めのそば粉を用いることが多いです。
超粗めのそば粉はつながりにくいため、
粗い粒子と細かい粒子のそば粉を好みの配合でブレンドすると
打ちやすくなり、食べても程よい食感が生まれることがあります。
そば店ではそれぞれの想いで、ブレンドされていることでしょう。
一年を通して同じ品質のそばに仕上げることは難しいですが
ある一定の品質を確保するためには、ブレンド技術が必要だと考えます。
ブレンドは無限大の可能性を秘めているといえます。
釜揚げそば

立春というのに、寒さが一段と厳しくなりました。
この季節は お店は暇ですが、実は一番美味い時期で、一段と風味がのってきます。
この季節は何と言っても釜揚げそばです。
釜揚げは、釜でゆでたそばをそのまま器に入れて、釜湯(そば湯)をいれたものです。
お店によっては、器に出汁をはって、そばをいれておられることもあります。
観光客のかたにはそのほうが食べやすいのでしょう。
出雲市内で、通常出汁をはった釜揚げをだしておられるお店があります。
出汁が凄く美味しいのですが、やはり私は出汁をいれないものを注文します。(下写真左、右は通常~かけつゆ入り~)
そばの風味をより強く感じとることが出来ます。自分でかけるだしは割子用です。このお店はかけ汁とそばだし(割子用)
両方作っておられます。

究極は ソバ粉を溶いてどろっとさせた釜揚げそばがあります。
これは好みが分かれるかもしれません。

釜揚げ(そば湯をはってお客が出汁をかけるタイプ)
最初は出汁をかけないでそのままそばを食べてみてください。
出汁がいらないと思えるそばでしたら、最高のそば。








そばが切れるわけ
切れ切れになったそば
今年はそば打ち教室を各地でたくさん開催しました。
教室では生徒さんに、打ち立てを茹でて、食べてもらうのですが、そばがどうしても切れ切れになってしまいます。その原因をいくつか考えました。
★そばうちの過程
・水回しで、水分が均等に行き渡っていない部分があれば、切れやすくなります。
・そばは優しく扱うもので、強引な延し,たたみ、切りはご法度です。
・時間をかけて「コネ」、「延し」をすると、手の温度、エアコン・暖房によりそば玉から水分が蒸発してしまいます。
・延しの時に、力を入れすぎると細かいヒビが発生し、割れやすくなります。
★製麺後の麺の保存
打ち上がった生蕎麦をそのまま室内に置いていると乾燥してしまいます。
★茹で方
鍋にたくさんのそばを入れて、団子状にしてしまうと、お湯の温度も下がり、切れやすくなります。
切れないそばにするには、良質な粘りのあるそば粉を用いるのが基本です。切れるからといって二割以上つなぎをいれると、そばの風味が悪く、食感も変化してしまいます。可能ならつながりにくいそば粉があれば、他のそば粉とブレンドすると良いでしょう。
一番気を付けていただきたいのは、茹で方です。ご家庭で茹でるときに、鍋が小さく湯量も少ないところに、大量にそばをいれると必ず切れ切れになってしまいます。コツはたっぷりのお湯で、一人分づつ茹で、そばが泳ぐようにすると良いです。
《写真参照》 たっぷりの沸騰したお湯(強火)に、一人前をぱらり!



今年はそば打ち教室を各地でたくさん開催しました。
教室では生徒さんに、打ち立てを茹でて、食べてもらうのですが、そばがどうしても切れ切れになってしまいます。その原因をいくつか考えました。
★そばうちの過程
・水回しで、水分が均等に行き渡っていない部分があれば、切れやすくなります。
・そばは優しく扱うもので、強引な延し,たたみ、切りはご法度です。
・時間をかけて「コネ」、「延し」をすると、手の温度、エアコン・暖房によりそば玉から水分が蒸発してしまいます。
・延しの時に、力を入れすぎると細かいヒビが発生し、割れやすくなります。
★製麺後の麺の保存
打ち上がった生蕎麦をそのまま室内に置いていると乾燥してしまいます。
★茹で方
鍋にたくさんのそばを入れて、団子状にしてしまうと、お湯の温度も下がり、切れやすくなります。
切れないそばにするには、良質な粘りのあるそば粉を用いるのが基本です。切れるからといって二割以上つなぎをいれると、そばの風味が悪く、食感も変化してしまいます。可能ならつながりにくいそば粉があれば、他のそば粉とブレンドすると良いでしょう。
一番気を付けていただきたいのは、茹で方です。ご家庭で茹でるときに、鍋が小さく湯量も少ないところに、大量にそばをいれると必ず切れ切れになってしまいます。コツはたっぷりのお湯で、一人分づつ茹で、そばが泳ぐようにすると良いです。
《写真参照》 たっぷりの沸騰したお湯(強火)に、一人前をぱらり!


製麺のそば

そばりえの仲間で、市販の製麺をいろいろ試してみました。小麦粉の配合量が多いものはやはり小麦の味がしました。十割そばもありますが、もそもそ感があります。
手打ちそばを食べなれている仲間にとっては、何れの商品もイマイチだと感じました。
そこで、どのようにすれば美味しく食べることができるか、試してみました。
製麺の食感を補い、食べ易くするには、冷たいそばでは薬味が重要だという結論に至りました。
◆ 割子そば ◆
市販のそば(製麺)には、乾麺と半生そばがあります。食感の違いがあり、乾麺は硬い感じがします。半生麺はややもそっとしています。どちらも割子そば風にして、薬味をたっぷり盛り付け、だしを直接かけて混ぜて食べると、美味しくいただけます。
ご家庭には、割子容器が無いでしょうから、器はやや深みのある皿をご用意ください。

上段:納豆、おろし、ウズラ卵、青ネギ、鰹ぶし、刻みのり(焼きのり)
中段:とろろ、おろし、青ネギ、鰹ぶし、刻みのり
下段:天かす、おろし、青ネギ、鰹ぶし、刻みのり
( 製麺には、特にとろろが合うようです。 )
◆ かけそば ◆
そばの茹で方は同様ですが、やや硬めに茹でて、水洗いしたあとお湯で温めて、丼にかけつゆとお好みの薬味を入れてください。茹でたそばをそのまま器に盛る釜揚げ風にしても構いませんが、手打ちそばのような風味や食感は期待できません。